【いびきの原因】痩せ型なのになぜ?9年後の生存率は…

2016年10月30日

79c8eab8d8c371486bea2b1836b9b239_sいびきの3大原因として有名なのが、「アルコール」「喫煙」「肥満」です。これはご存じかと思いますが、「うちの旦那は痩せ型なのにイビキがすごい…」という人は実は多いんです。なぜ痩せ型なのに大きなイビキをかいてしまうのか?その原因について追求していきますね。

そもそもなぜ、イビキをかくのか?

なぜ痩せ型なのにイビキをかくのか?これを知るためには、そもそもな人はイビキをかくのか?について知っておく必要がありますので、少し詳しく説明していきますね。

人間は空気中の酸素を体内に取り込みますが、通常、空気は鼻から吸い込まれます。その後に、鼻腔(びくう)・咽頭(いんとう)・喉頭(こうとう)そしてそのまま気管支へと通っていきます。ここまでが、いわゆる「気道」という部分。最後に肺に空気が届くのはご存じのとおりです。

この空気の通り道の途中、【咽頭~喉頭】にかけての間(喉のまわりの部分と覚えておいてくださいね)が、何らかの原因があって狭くなってしまった時。通り道を無理やり、空気が通ろうとする時にイビキとして音が鳴るんですね。元々、この部分は柔らかい組織でできているのですが、振動しやすい上に、空気の通り道が狭くなってしまっていることで摩擦音を出すため、イビキとして音が鳴るんです。

イビキは鼻の奥の方で鳴っているようなイメージを持っている人が多いですが、実は喉のまわりで音が鳴っているんですね。

さらに、大いびきをかく人はこれだけでは治まりません。この部分(気道の上の部分)はかなり柔らかい組織というお話をしましたが、何らかの原因によってこの気道が狭くなってしまうことで、空気の流れが乱れてしまいます。すると結果的に、のどちんこなど他の組織も振動するようになってしまうため、さらに大きないびきへと拡大していってしまうんです。

そう、肥満気味の人が喉のあたりに余分な肉がついてしまっているために空気の通り道を狭くし、大きないびきへとつながってしまいます。いびきの最大の原因とも言われているのが、この肥満によるイビキです。

日本人は痩せ型でもイビキをかくというデータ

e427e5cb72ebfbc673ac71f49267cd32_s喉のまわりが何らかの原因で狭くなることによって、いびきをかいてしまうということをお伝えしました。その最大の原因は肥満ということですが、ではなぜ、痩せ型なのにいびきをかくのか?これには、日本人の特異な骨格が関係しているんです。

他の世界、例えば欧米を見てみると、いびきをかきやすかったり、睡眠時無呼吸症候群(寝ている時に呼吸が止まってしまう病気)の患者のほとんどが、BMI30以上という肥満気味のタイプです。BMIの基準値(太ってもいないし、痩せてもいない)が25ですから、肥満気味の人がイビキをかきやすいということは医学的に見ても間違いない事実です。

ただあまり知られていないですが、日本人の場合は、必ずしも肥満気味の人がイビキが大きいというわけではないんですね。いびきの中でも特に治療が必要とされている睡眠時無呼吸症候群の患者を日本人に限定してみると、BMI25以下(いわゆる痩せ型)の人も多いんですね。これは他の国と比べると、かなり得意な数字です。

なぜ日本人は痩せているのにイビキをかくのか?

他の国を見てみても、肥満気味の人の方がいびきをかきやすいという傾向があるにも関わらず、日本は痩せ型でも睡眠時無呼吸症候群の患者が多いという事実があります。

なぜ日本人は痩せ型でもイビキをかきやすいのか?これは、顔の骨格に原因があるんですね。欧米人はいわゆる「掘りが深い」という人種ですが、日本人やアジア人は「薄い顔」ということはあなたもご存じですよね。まさにここに、原因があるんです。

顔の骨格が短くて扁平であること、そして他の国の人と比べて首が短い傾向にあるために、日本人はそもそもイビキをかきやすい人種なんですね。これが、痩せ型でもいびきをかいてしまう原因の根本にあります。

痩せ型で、特にいびきをかきやすいタイプとは?

顔の骨格的に日本人は痩せ型でもイビキをかきやすいというお話をしましたが、中でも特にいびきをかきやすい骨格タイプの人がいます。

どういった骨格の人がいびきをかきやすいのか?それは、【アゴが小さいタイプ】【アゴが後ろに下がっているタイプ】【鼻が曲がっているタイプ】この3種類のタイプの顔の人です。こういった骨格の場合、寝たときに舌の奥が喉の周りに落ち込みやすいので、どうしてもいびきをかきやすくなってしまうんですね。

もちろん、こういった顔の骨格は遺伝しやすいので、親がいびきをかきやすいという人の場合は体質(骨格)的にいびきをかきやすいという傾向があることが確認されているんです。

さらにイビキをかきやすくなる原因とは?

痩せ型なのにいびきをかきやすいのは日本人の骨格が原因になっていて、さらにイビキをかきやすいタイプの顔の骨格についてもお話しました。

ただ、こうした骨格に原因があることに加えて、さらに別の理由が関わっているケースが実は非常に多いんですね。それは何か?というと、まず2つの大きな理由としては最初にもお伝えした、【アルコール】と【喫煙】です。

お酒を飲むと、軌道まわりの筋肉が弛緩(しかん=ゆるんでしまうこと)しますが、そのせいで気道が狭まってしまいます。加えて、お酒のせいで呼吸中枢(肺に空気を摂り入れる量をコントロールする役割り)が狂ってしまいます。さらにアルコールの成分には血管が拡張する作用があるので、これも悪影響を与えてしまいます。タバコは、空気の通り道となる気道・喉のまわりを炎症させてしまうので、これも空気の通り道を狭くしてしまいます。

この2つの大きな原因が組み合わさってしまうことによって、大きないびきへと繋がってしまうんですね。また、人によってはアレルギー性鼻炎が大きく影響しているケースも非常に多いです。

どうやってイビキに対処すれば良いの?

痩せ型だとしても、日本人の場合は骨格的にいびきをかきやすい体質ですし、加えて喫煙・アルコール・アレルギーなどでイビキがさらに大きくなりやすいんですね。では、どう対処すれば良いのか?

対処方法としては、まずは「顔の骨格でいびきをかきやすい」ということを自覚すること。その上で、さらにイビキを悪化させている原因は何なのか?ということを把握することです。そもそも骨格的にいびきをかきやすいので、アルコール中毒になるほどお酒を日常的に飲んでいなかったとしても、ちょっとしたアルコールでいびきをかきやすいんです。タバコも、アレルギー性鼻炎も同じこと。

人それぞれ、この部分の原因は違ってきますから、まずはいびきを更に悪化させている原因を把握して、そちらの問題に対処していくことが一番大事なんですね。その上で、改善しない場合には顔の骨格を変えるといった外科手術を行うこともできますが、もちろんこれは最終手段です。

冗談抜きで、いびきは命に関わる…

「たかがイビキ」と軽く思ってしまう人は特に男性に多いですが、いびきを甘く見ると本当に危険です。通常、私たちは寝ている間に脳が覚醒(日中の記憶を整理したりする)と休息を繰り返しています。ただ、睡眠時無呼吸症候群の人の場合、一晩中、脳が覚醒してしまっているんですね。寝ている状態にもかかわらずです。

一晩中、脳がフル回転しているので、いくら寝ても起きている状態と変わらないということ。これが続くとどうなると思いますか?ご本人であれば既に自覚しているかと思いますが、「常にイライラする」「日中、激しい睡魔に襲われる」「体調不良になりやすい」こういった症状が出てきてしまいます。

こうなると、仕事もままならないですし、場合によっては命に関わる状態となってしまっています。いびきの延長線上にある睡眠時無呼吸症候群には、ここまでの危険性があるんですね。

そして、衝撃的な数字があります。それは、【睡眠時無呼吸症候群の治療をしていない人の9年後の生存率】です。これはアメリカでの調査結果なのですが、驚愕の数字が公表されています。9年後の生存率…それは、たったの6割というデータが出ているんですね。これは、9年後には10人のうち4人も死亡してしまっているということ。原因は、心臓病や脳梗塞、そして交通事故によるもの。

いびきが原因で、ほぼ半分は10年以内に死亡してしまうということにもつながります。極端に聞こえるかもしれませんが、これが事実なんですね。

【痩せ型なのにイビキをかく原因】まとめ

・日本人は骨格的にイビキをかきやすい
・顔の骨格に加えて、それぞれの原因が重なっている
・原因をしっかりと把握し対処する
・イビキは「死」につながる危険性が非常に高い

最後には少し怖いお話もしてしまいましたが、これが現実です。周りも不快になるほどのイビキは命に関わる危険性が潜んでいます。ただ、しっかりと原因を把握した上で少しずつ対処していくことで、寿命を延ばすことはできますし、家族への迷惑をなくすことも可能です。

「危険サインに早い段階で気付けた」と思って、色々な対処法を実践されてみてはいかがでしょうか。

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