鼻づまりだけど口呼吸を治すためのテープ使って大丈夫?
口呼吸が習慣になってしまうと、なかなか治すのは難しいですよね。とは言っても、口呼吸が続くことによって風邪をひきやすかったり、場合によっては気管支炎になってしまったり。また、睡眠中に大きないびきをかきやすくなってしまうという弊害まで出てきます。また、しっかりと熟睡できないために日中の眠気や集中力不足にもつながってしまいます。
この口呼吸を治すための方法の1つとしてテープを口に張って強制的に鼻呼吸に切り替えるという方法があります。有名な商品としては、ネルネルやセレブリーズなどが人気ですね。ただ、もともと鼻炎体質など鼻づまりが続いている場合に、このテープは使って良いものなのでしょうか?
キケン!鼻づまり体質のテープ禁止
口呼吸を治すためのテープですが、そもそもどういった人向けにつくられているのか。これは答えが明確で、【鼻に問題はないけれども、口呼吸が習慣になっている人】ということなんです。わかりやすく言うと、鼻での呼吸が難しいから口呼吸になってしまっているのか、そもそも口呼吸が習慣化されてしまっているかどうかということです。
この習慣になってしまった口呼吸を改善するためにはテープで口を閉じる生活を続ける(さすがに日中は難しいので、寝ている間に)ことによって改善する可能性はあります。ただし、この場合にも筋力が足りないというそもそもの原因解決にはなりませんが、口を閉じることをクセづけるという意味合いでは効果的です。
ただし、鼻がつまっていて鼻呼吸ができずに口呼吸になってしまっている場合。この場合、テープで口を塞ぐとどうなるのか?というと、これは単純明快で、呼吸が困難になります。そもそも鼻呼吸ができなくて口呼吸になっているのですから、口までテープでふさいでしまうと呼吸をすること自体が難しくなるのは当然なんですね。
実際にテープで口をふさぐという方法を実践している人は寝ている間に貼ることが多いですが、鼻づまり体質なのであればキケンなので避けた方が良いです。寝ている間に呼吸が苦しくなって自分でテープを剥がすという程度ならまだ良いですが、これがキッカケで睡眠時無呼吸症になる危険性まであります。さすがに窒息死するということは考えにくいですが、健康を害す危険性があるので注意しましょう。
口呼吸の危険性よりも鼻づまりを治すことを考えましょう
口呼吸はいびきをかきやすかったり、喉を傷めたりと色々な弊害が出てきますので、確かに危険です。また、口を開きっぱなしにしていることで口の中が常に乾燥している状態となり、細菌が繁殖しやすくなるために口臭が出てくるという弊害もありますね。こういった危険性や弊害をなくすためにも確かに口呼吸を止めて鼻呼吸に切り替えることは必要です。
ただし、鼻づまりが原因で口呼吸になっているのであれば、そもそもの原因である鼻づまりを治すことを最優先で考えましょう。鼻づまりになる原因は短期的な原因を除いて、そのほとんどは鼻炎体質によるもの。花粉症など季節性のアレルギー性鼻炎をはじめ、ダニやホコリといったハウスダストが原因の通年性アレルギー性鼻炎もありますね。鼻炎のきっかけとなる原因は違っても、根本的に鼻づまりが引き起こる原因は同じです。
アレルゲン(花粉やホコリなど)が鼻粘膜に触れることによって、体がアレルギー反応を引き起こします。その結果として鼻粘膜が炎症を起こし、鼻づまりになるわけですね。このアレルギー反応を極力減らすことで鼻づまりを解消することは可能なんですね。
どうやってアレルギー反応を緩和していくのか
あなたもご存じかとは思いますが、アレルギー反応が起こる原因はアレルゲンに対して体が過剰に反応してしまうため。ただ、よく考えてみてくださいね。花粉やハウスダストは確かに有害ではあるかもしれないですが、命に関わるような危険な物質ではないですよね。ということは、それ自体に過剰に反応してしまう体質自体が正常ではないということになります。
正常でなくなってしまった体の反応を修正することによって鼻づまりを解消することができるんです。体がアレルゲンに対して過剰に反応してしまった時、ヒスタミンという分泌物が体の中で放出されます。このヒスタミン放出量が多ければ多いほど、ヒドい鼻づまりとして症状が出てきてしまいます。ということは、このヒスタミン自体の放出量を減らすことができれば、鼻づまりを解消できるということがおわかり頂けるかと思います。
どうやってヒスタミン放出を減らすのか
まずすぐにでも見直すことができるのが、普段の食事です。ヒスタミン放出を減らすことを考える前に、まずはヒスタミンを増やしてしまう危険性の高い食べ物をなるべく避けることを意識してみてくださいね。ヒスタミンを増やしてしまう食べ物ですが、代表的なものではチョコレートやハム・ソーセージや牛肉。こういった食べ物はヒスタミン放出を増やすことが確認されていますので、なるべく避けるようにしましょう。そして意外にもヒスタミン放出を増やすことが確認されているのが、トマトです。「トマトは抗酸化作用があるので体に良い」ということは昔からテレビで言われていますが、アレルギー体質にとってはNGなのでこれも覚えておいてくださいね。
そして、ヒスタミン放出を抑える働きのある食べ物について。これはいくつか限定されているのですが、例えばショウガ。昔から健康のために生薬としても使われてきた歴史のあるショウガですが、鼻づまりの原因となるヒスタミン分泌を抑えることが確認されています。それだけでなく、ショウガには血管拡張作用があります。これによって血行を促して体温を上げてくれますので、鼻づまりを解消する効果が期待できます。
他にも、ヒスタミン放出を抑える抗ヒスタミン作用のあるのが甜茶(てんちゃ)というお茶。これは古くは中国から伝わってきた健康茶ですが、花粉症やアレルギー性鼻炎の症状緩和のために広く使われています。抗ヒスタミン作用だけでなく、高い抗炎症作用がありますので、鼻づまり(粘膜が炎症を起こしている状態)を軽減させる効果が確認されています。
実は知られていない、薬のキケンな副作用とは
あなたが慢性的に鼻づまりに悩まされているのであれば、もしかすると何らかの薬を使っているかもしれないですね。ただし、その薬のほとんどには副作用があるので注意が必要です。よく言われる、「鼻炎薬のせいで眠気や倦怠感が…」というレベルのお話ではありませんので、ぜひ知っておいてくださいね。
例えば、特に鼻づまり解消作用が強いと言われている抗ヒスタミン薬。これは今回の記事の中で何度もお話しているとおり、鼻づまりの原因となるヒスタミンの放出を抑えることによって鼻づまりを解消するというタイプの薬です。この抗ヒスタミン薬を使い続けることによって、どうなるか?重大な副作用として、ホルモンバランスが崩れることが確認されているんですね。生理不順や自律神経の乱れ、重症化した場合にはホルモンバランスが崩れることによって顔の皮膚がボコボコになったり糖尿病になる危険性も指摘されています。
他にも、点鼻薬によく使われている血管収縮剤と言う成分。強制的に鼻粘膜の血管を収縮させることで鼻通りを良くするわけですが、これは長期的に使ってしまうと血管が弱ってしまいます。その結果として、逆に鼻づまりが悪化するという危険性が高まってしまいます。
このように、よく効く薬ほど副作用の危険性が高いということは覚えておきましょう。
まとめ
・慢性的な鼻づまりの場合にテープは危険
・鼻づまりを治した結果として、口呼吸も治る
・鼻づまりを悪化させる食べ物は避ける
・ヒスタミン放出を抑える食べ物を意識する
・薬の危険な副作用を知る
もし慢性的な鼻づまりが続いているのであれば、口呼吸を治すよりも、根本から鼻づまりを解消するための方法を実践してみてくださいね。もちろん人それぞれの体質や向き不向きなどもありますので、全ての人に同じく効果のある治療法というものは存在しません。これを意識した上で、継続できそうだと思える治療法や対処法を選ぶようにしてみてはいかがでしょうか。
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