市販の鼻炎薬で頭痛が…原因は?危険な兆候と対策まとめ
花粉症やアレルギー性鼻炎の症状が悪化すると鼻炎薬で対処しますが、中にはひどい副作用が出るケースも非常に多いので注意が必要です。市販の点鼻薬の代表格として広く使われているの薬のほとんどには副作用が存在します。そのほとんどは、眠気や倦怠感や吐き気などですが、最近では鼻炎薬も副作用が出にくいように改良されてきているので、それほど生活に支障が出るほどの副作用のある薬は減ってきました。
ただ、中でも生活に支障が出るほどの鼻炎薬の副作用というのが頭痛です。偏頭痛のようにズキズキと痛む症状や、頭の中が圧迫されるような頭痛。こういった症状も鼻炎薬の副作用なんですね。
なぜ市販の鼻炎薬で頭痛が起きるのか?
鼻炎薬には鼻の粘膜の血管を収縮させて鼻づまりを軽くするタイプなど実に様々な効果・作用のある薬が存在します。ただ、特に頭痛が症状として出てきやすい場合、原因は2つあります。
まず1つ目の原因ですが、抗ヒスタミンがベースとなっている市販の点鼻薬です。抗ヒスタミンをベースにした鼻炎薬は、鼻づまり・鼻水の原因となるヒスタミンの分泌を抑えるという作用を持っています。このヒスタミンですが、アレルゲン(花粉やダニ・ホコリなど)が体に侵入した時、過剰に放出されることによって鼻水が出る仕組みになっています。そのヒスタミン自体の分泌を抑えるための薬が抗ヒスタミン薬なのですが、もともとは眠気などの副作用が強いものでした。
ただ、最近の新しい抗ヒスタミン薬ではこの眠気の副作用を抑えるためにカフェインを成分に使っているものもあるため、カフェインに弱い体質の人であれば頭痛として副作用が出てきてしまうんですね。
もう1つの原因として、血管収縮タイプの鼻炎薬の場合です。市販の鼻炎薬のほとんどにはこの血管収縮剤が成分に使われていますが、これは鼻の粘膜の血管を収縮させることによって空気の通り道を広げるという効果を持っています。このおかげで鼻炎症状が軽減されて鼻呼吸をしやすくなるのですが、副作用として血管が過剰に収縮されてしまうというケースもあります。
血管が過剰に収縮されてしまうと、頭痛だけでなく閉塞感や頭が圧迫されるような副作用が出てきてしまうんですね。もちろん、どちらのタイプの鼻炎薬も人によって効果や副作用の出方は違うのですが、あまりにも頭痛がヒドい場合には病院に相談するようにしましょう。
注意すべき症状とは?
市販の鼻炎薬を使っていて、すぐに命に関わるような重大な副作用が出てくることは本当に稀です。ただし、全くないというわけではないんですね。薬を使うのを止めて頭痛や頭の圧迫感が改善されるようであれば問題ないですが、あまりにも酷い頭痛に加えて強い吐き気も感じる場合にはすぐに病院にかかるようにしましょう。体質によっては薬に対してショック症状であるアナフィラキシーが出てきている危険性があります。
アナフィラキシー症状とは、薬に対して体が過剰に反応してしまうこと。薬を使ってから5~30分以内に症状が現れますので、1つの目安にしてみてくださいね。
頭痛薬と併用して良いの?
鼻炎薬を飲んでいて軽い頭痛が続く場合、鼻づまりだけでも辛いのに頭痛が重なると更に辛くなってしまいますよね。そんな場合に注意して頂きたいのが薬の飲み合わせです。通常、基本的に鼻炎薬と頭痛薬(鎮痛薬)の飲み合わせは問題ないとされていますが、鼻炎薬の効果を弱めてしまう成分もありますので注意が必要です。
例えば、市販の鼻炎薬としても広く使われているアレグラという薬。アレルギー性鼻炎の薬として有名なアレグラですが、炭酸水素ナトリウム・合成ヒドロタルサイト・水酸化マグネシウム・スイサンカアルミニウム・酸化マグネシウムといった成分が含まれている頭痛薬を併用して飲んでしまうと、アレグラの効果を弱めてしまうことにつながりますので注意してくださいね。
鼻炎薬に副作用は付き物
頭痛や眠気だけでなく吐き気や倦怠感など、鼻炎薬を使う場合にはどうしても副作用は付き物です。そして、効果の強い薬ほど副作用の心配が大きくなるというのも事実なんですね。
例えば、花粉症やアレルギー性鼻炎などの治療薬として使われることの多いステロイド薬。このステロイド薬ですが、もともとは体内で分泌されているホルモンのこと。このステロイドの働きとしては抗炎症作用があるので薬にも使われるのですが、やはり効き目が良いだけに副作用がどうしても強いものも多いんですね。
ステロイド薬の副作用としては、長く続けることによって体内のホルモンバランスが崩れてしまうので生理不順になってしまったり、顔が腫れてしまうなど。また、長期的に使い続けてホルモンバランスが更に崩れてしまうと、糖尿病になったり骨粗しょう症になってしまう危険性もあります。
また、ステロイド薬ではありませんが、鼻炎に効果の高いタイプの鼻炎薬として広く使われている血管収縮剤。市販の点鼻薬にはこの血管収縮剤という成分が多く使われていますが、効果としては鼻炎によって拡張してしまった鼻の血管を収縮させて鼻づまりを解消さえるというもの。
この血管収縮剤の副作用としては、長期的に使うことによって効果が薄れていってしまったり、鼻血が出やすくなるなど。鼻血が出やすくなるのは、薬剤によって強制的に血管を収縮させてしまっているため、どうしてもダメージが出てきてしまうからです。このように効果の強い鼻炎薬ほど副作用も強くなってしまうということをぜひ覚えておきましょう。
薬を使わない鼻炎対策とは?
市販の鼻炎薬だけでなく、副作用が少なそうな漢方薬にも実は副作用は存在します。例えば、鼻炎や花粉症対策として広く使われている小竜青湯という漢方薬。この漢方薬にも副作用は存在するんですね。麻黄(まおう)というが含まれていますが、この成分の副作用としては胃腸障害がおこりやすいなど。「薬」と名前のつくものであれば副作用の危険性がないものは存在しないんですね。
ただ、薬を使わずに鼻炎対策をすることは可能なんです。例えば甜茶(てんちゃ)という中国から伝わってきたお茶がありますが、副作用がなく鼻炎に効果のあるお茶として広く使われています。甜茶には鼻炎症状の原因となるヒスタミンの働きを抑える効果が確認されているので、薬の副作用が不安だという人からは絶大な支持を得ているんですね。
他にも、鼻の粘膜の荒れに効果のあるキキョウエキスや、殺菌作用のあるシソの葉など。また、体の抵抗力を高めながら鼻の中の細菌を倒すドクダミなど、薬を使わずに鼻炎対策ができる成分などは多く存在するんです。
鼻炎薬の副作用と対処法まとめ
・カフェインによって頭痛が起きている可能性
・血管を過度に収縮させているため頭痛が起きている可能性
・アナフィラキシー症状が出ていないか注意する
・頭痛薬との併用は注意が必要
・強い鼻炎薬ほど副作用の危険性が高い
・薬を使わない対処法も存在する
どうしてもすぐに鼻炎症状を止めなければいけない時などは薬に頼るのも良いですが、長い目で症状を改善していくための方法は薬以外にも存在します。ただし、そういった対処法ももちろん人によって個人差が出てきてしまうことは予めしっておくべきです。こういった知識を持った上で、「何が自分に向いているのか?」をメリット・デメリットも含めて見つけていくのが良いかもしれないですね。
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