【アレルギー性鼻炎の点鼻薬】甘く見てはいけない副作用とは?

2016年10月30日

67f32e01313dde3d5f41ebec8c0143d1_sアレルギー性鼻炎の症状はなかなか完治させるのが難しいため、点鼻薬で症状を抑えるという治療法が現在は主流になっていますよね。ただ、アレルギー性鼻炎の症状がヒドい時にはどうしても点鼻薬を多くつかってしまったり、また長期間使ってしまったりという人が多いのも現実です。

辛い鼻づまり・鼻水を抑えてくれるので便利な点鼻薬ではありますが、やはり薬という特性上、どうしても副作用がついてきてしまいます。しっかりと副作用を把握した上で上手く使うことでアレルギー性鼻炎の症状悪化を防ぐことにもつながりますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

まず、点鼻薬とは言ってもそれぞれ色々なタイプの薬がありますので、副作用もそれそれ異なってきます。タイプ別に副作用をまとめましたので、あなたが使っている点鼻薬の副作用を確認してみてくださいね。

抗ヒスタミン点鼻薬の副作用

代表的な点鼻薬としては、ザジテン、リボスチンなど。抗ヒスタミンタイプの点鼻薬の効果としては、その名前のとおりヒスタミンを抑える薬です。そもそもアレルギー性鼻炎の症状が出てしまうのは、アレルゲン(ホコリや花粉など)が体に侵入してしまった場合に、体の免疫反応(体を守る)としてヒスタミンという成分が体内で生成されます。このヒスタミンが過剰に生成されてしまうことでアレルギー性鼻炎の症状が出てきます。すると結果的に、鼻づまりやクシャミとして症状が出てきてしまいます。

このヒスタミンの生成を抑えてくれるのが抗ヒスタミンタイプの点鼻薬ですが、眠気・口が渇くといった副作用を体感している人が非常に多いです。ただし、これは人によって副作用の出方も少し変わってきます。眠気や口乾といった症状だけでなく、中には胃腸障害・頭痛を感じる人も多いんですね。

特に怖いのが頭痛です。徐々に痛くなってくるというわけではなく、場合によっては突然、頭痛が襲ってくるということもあるんですね。こういった危険性が考えられるので、車の運転をしたり高所作業など危険な作業をする仕事をしている場合には注意する必要があります。

また、抗ヒスタミン薬とは言っても、第1世代と第2世代の2種類が現在は存在します。それぞれで少し副作用が異なってくるんですが、大きな違いとしては第2世代の抗ヒスタミン薬(その中でも特に後期のもの)は、眠気といった副作用が改善されているのであまり気にする必要はありません。

もし自分が使っている抗ヒスタミン系の点鼻薬が第1世代なのか?第2世代なのか?わからない場合には、薬剤師に聞いてみるようにしてみてくださいね。また、この点鼻薬は効き目が早い傾向にありますので、予防的に使う必要はありません。あまり症状が出ていないうちに使うよりも、鼻づまりなどの症状が出た時に使うようにすると薬の量も減って良いですよ。

ステロイド点鼻薬の副作用

代表的な点鼻薬としては、アラミスト、エリザス、ナゾネックス、フルナーゼ、タウナス、リノコートなど。効果が現れるのが早いですし、確実なので、アレルギー性鼻炎対策で使っている人も多いですね。他の点鼻薬では胃腸障害・頭痛といった副作用があるものもありますが、ステロイド薬の場合は比較的副作用が出にくいことでも知られています。ただ、全く副作用がないというわけではありません。

ステロイド薬の場合、局所的に副作用が出やすいので、点鼻薬として使っているのであれば鼻に刺激を感じたり、鼻が乾燥したりといった症状が出てくることはあります。ただし、使う時にはしっかり正しい使い方を意識しましょう。というのも、ステロイド薬の場合、効果は投与した部位だけに現れるんですね。そのため、左右しっかり同じように噴射する必要がありますし、横方向に噴射したりしないように気を付けてくださいね。

また、基本的に副作用が少ないとされているステロイド点鼻薬ですが、見落としがちな副作用があります。それは、【ホルモンバランスが崩れる】ということ。効き目の強いステロイド点鼻薬を長期的に使うことによって考えられる副作用が、これです。ホルモンバランスが崩れるとどうなるか?というと、生理不順になってしまったり、顔が腫れたりといった症状が出ることがあります。また、重症化すると糖尿病になってしまう危険性も指摘されています。

遊離抑制タイプの点鼻薬の副作用

代表的な点鼻薬としては、インタールやソルファなど。抗ヒスタミン薬と同じ抗アレルギー薬に分類されます。ただし、この点鼻薬は予防的薬なので花粉症など時期が到来する前に早めに使う使用方法になっています。こちらも他のアレルギー性鼻炎の点鼻薬に比べると副作用が少ないことが特徴ですが、大きな副作用としては眠気や倦怠感が出やすいということ。睡眠薬やアルコールと併用する時には注意が必要です。

血管収縮タイプの点鼻薬の副作用

代表的な点鼻薬としては、ナシビン、コールタイジン、プリビナなど。市販されているアレルギー性鼻炎の点鼻薬のほとんどはこの血管収縮成分が含まれています。そして、数ある点鼻薬の中でも副作用に一番注意したいのがこのタイプです。

なぜこの点鼻薬の副作用には注意した方が良いのか?というと、そもそもの効果にあります。この血管収縮タイプの点鼻薬は血管を収縮させることで鼻粘膜の腫れを少なくしていくという仕組みになっています。そのため、他の点鼻薬と比べても効果を発揮しやすい特徴がありますが、そのぶん副作用も強いんですね。

血管を薬剤で強制的に収縮させるという作用があるので、長く使ったり使う頻度が多かったりすると、鼻粘膜自体を厚して鼻腔を狭くするという副作用があるんですね。そのため、アレルギー性鼻炎の症状を悪化させたり、薬が効かなくなるという副作用があるので乱用しないよう注意しましょう。

アレルギー性鼻炎を甘く見てはいけない理由

アレルギーと言ってもアトピーや食べ物アレルギーなど色々な種類がありますが、他のアレルギーに比べるとアレルギー性鼻炎・花粉症は軽く見られる傾向があります。花粉症であれば時期を過ぎれば症状は出なくなるというのも影響しているかもしれないですね。

ただ、アレルギー性鼻炎は医療的に見れば病気です(表現が適切かどうかは置いておいて)。鼻づまりが悪化すると、どうしても人は自然と口呼吸になってしまいます。すると寝ていても苦しいですし、なかなか熟睡できなくなったりしてしまいます。そのせいで日中にストレスを抱えやすくなりますし、頭痛・食欲減退といった症状が出てくることもあります。

こんな辛い状況が続いてしまえば、「たかが鼻炎」では済まされなくなってしまい、健康を大きく損なってしまうことにもつながりますので、「自分に最適な治療は何なのか?」しっかりと考えていく必要があります。

【アレルギー性鼻炎の点鼻薬の副作用】まとめ

・抗ヒスタミン点鼻薬⇒眠気・口乾・胃腸障害・頭痛など
・ステロイド薬⇒鼻の刺激・乾燥、ホルモンバランスが崩れるなど
・遊離抑制タイプの点鼻薬⇒眠気・倦怠感
・血管収縮タイプの点鼻薬⇒乱用によって症状悪化の危険性あり
・自分に最適な治療法を見つける

鼻づまりが続くと仕事に集中できなくなったり、周りの目が気になったり。また、生活の中では料理の味がわからなくなったりと、かなり不便ですよね。そんな場合に症状を抑えてくれる点鼻薬はとても便利ですが、やはり効果がある半面、副作用の危険性も捨てきれません。どの点鼻薬を利用するときも、乱用したり長期的に使いすぎないように注意するようにしてみてくださいね。