運転中の眠気は病気?3つの隠れた原因とは

2016年9月19日

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特に長距離を運転している場合など、平坦な道・高速道路など視点が一点に集中するような道路を運転する場合にはどうしても人は眠気が襲ってきやすいもの。こういった場合には、気分転換をすることで眠気を紛らわすことができます。

ただ、しっかり夜に睡眠はとっているのに、なぜか運転中に必ず激しい眠気に襲われるという場合。病気の危険性が非常に高いので注意が必要です。【居眠り運転の事故】として片付けられている事故は非常に多いですが、運転中に眠気を感じることが多い場合には、こういった事故を起こす可能性が飛躍的に高まってしまうんですね。では、どういった病気が潜んでいる可能性が高いのか?というと、睡眠障害です。

睡眠障害と言うと特別な病気のように聞こえますが、実は誰でも起こりえる身近に潜んだ危険な症状なんですね。というのも、睡眠障害は人それぞれ症状の出方や原因は異なってきます。自覚症状がなかったとしても睡眠障害が運転中の事故につながるケースは非常に多いです。ただし、しっかりと原因を理解して対処することで事故を未然に防ぐことはできますし、ご自身の身を守ることにもつながりますので、まずは自分を知ることから対策をしてみてくださいね。

睡眠の質が浅いことによる影響とは?

睡眠の質が浅いと、日中の眠気や運転中の眠気につながってしまいます。ただ、実はそれだけではないんですね。脳は通常、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返しています。この話はあなたもご存じかもしれないですが、質の高い睡眠をするためにも重要な話ですので、ぜひしっかりと読み進めてみてくださいね。

レム睡眠は夢を見ている状態(脳が覚醒している状態)です。夢をみることによって、日中に起きた出来事を整理しているとも言われています。そして、このレム睡眠の時には体は寝ている(体を休めている)状態です。脳は起きていて、体は寝ている状態と覚えておいてくださいね。

一方、ノンレム睡眠は体と脳の両方を休める時間帯です。脳と体の両方をしっかりと休める睡眠時間帯になっていて、血圧も自然と下がっていきます。通常であれば眠りに入ってから2~3時間で、このレム睡眠に入ります。そしてその後、レム睡眠とノンレム睡眠を繰り返すことによって体と脳をしっかりと休めることができます。

では、運転中の眠気の原因にもなっている睡眠障害の場合だとどうなのか?というと、ノンレム睡眠が全く現れません。さらに、レム睡眠の状態でも、健康な人のように夢を見ているときのような脳波は現れないんですね。実は、一晩中ずっと、覚醒している時と同じ脳波が続いています。

一晩中ずっと脳が覚醒しっぱなしになっているので、日中だったり運転中に眠くなるのは当たり前のことなんですね。それだけでなく、精神的にイライラしやすかったり、体調不良も起こりやすくなってしまいます。

運転中の眠気の原因(1)

運転中に眠気が起きてしまう原因は、大きなカテゴリでくくると睡眠障害が原因になっていることがほとんど。その睡眠障害が起きる原因としては、ストレス・生活リズムの乱れなど、原因を挙げるとキリがないほど膨大にあります。最近では、寝る直前までスマートフォンなどの画面を見ることによって睡眠リズムが乱れてしまうこともわかっています。とは言っても、1つずつ挙げるとその原因は膨大になってしまいますが、【特に睡眠の質を悪化させる大きな原因】としては、肥満です。

肥満は睡眠障害だけでなく、睡眠時無呼吸症候群(寝ている間に呼吸が止まる病気)の原因にもなっています。中でも、首周りだったり、喉のまわりに脂肪がついていると、気道を圧迫して狭くしてしまうために呼吸が浅くなってしまうんですね。睡眠中は、ただでさえ喉のまわりの筋肉がゆるむので喉の奥が沈みやすくなってしまいます。

さらに、年齢を重ねるにつれて喉や顎のまわりの筋肉は自然と衰えていってしまいます。これは30代を境に筋力が衰えて行く人が大多数ですので、あなたが30代以降の場合には特に注意してくださいね。もし、あなたが少しでも体脂肪率が高かったり、首まわりに脂肪がついていると思ったのであれば、まずは脂肪を落として睡眠の質を高めること。これだけで運転中の眠気だけでなく、寿命そのものも伸ばすことは可能なんです。

運転中の眠気の原因(2)

運転中に眠気に襲われる原因として、前日のアルコール摂取が原因になっているケースも非常に多いんです。お酒自体が、カロリーが多いために肥満の原因になってしまい、睡眠の質を低下させていることにもつながってしまいます。

ただ1番怖いのが、アルコールには気道まわりの筋肉を弛緩(しかん)させて空気の通り道を狭くするという特徴があるためです。やはり男性にとても多いですが、ふだんイビキをかいていなかったとしても、お酒を飲んだ日はイビキをかいてしまうという人は非常に多いですね。

これは、アルコールの作用によって空気の通り道が狭くなっているためにしっかりと呼吸できていないことが原因になります。そのせいで睡眠の質が下がるだけでなく、さらにアルコールは脳の中枢神経に影響を与えて覚醒と睡眠のリズムを乱すという作用があります。このせいで、さらに睡眠の質が低下してしまい、睡眠障害の原因になってしまうんですね。

もしあなたが日常的にお酒を多く飲みがちだという場合。それだけで睡眠の質が低下して、運転中の眠気の原因になっている可能性は非常に高いので、少しでも量を減らして体調の変化を観察してみてはいかがでしょうか。

運転中の眠気の原因(3)

しっかり寝ているのに運転中に眠気が襲ってくるという場合。あなたの体質自体が影響している可能性もあります。というのも、睡眠は私たち人間にとってなくてはならないものですが、【ただ寝ているだけ】では意味がないことは、この記事の前半部分でもご紹介させて頂きました。

しっかりと質の高い睡眠をとることによって、脳も体も休めることができるのですが、睡眠の質を下げる大きな原因になっているのは肥満やアルコールだけではありません。アレルギー性鼻炎も大きな原因の1つになっているんですね。

アレルギーの原因は花粉症やダニ・ホコリなど人それぞれですが、鼻炎症状が続いていると鼻呼吸ができなく口呼吸になってしまいます。口呼吸自体、ウイルスなど細菌がダイレクトに体内に侵入してくることで体調不良の原因にもなりやすいですが、危険なのはそれだけではありません。

寝ている間に口呼吸の状態が続くと、気道にもアレルゲン(アレルギーの原因物質)が侵入してきてしまいます。すると、気道内部も腫れやすくなってしまって、酸素をしっかりと取り入れることができなくなってしまうんですね。脳にしっかりと酸素が届かないと睡眠の質が下がる原因にもなりますが、それだけでなく睡眠時無呼吸症候群の原因にもなってしまいます。

睡眠時無呼吸症候群って、本当に怖い病気です。重症の睡眠時無呼吸症を放っておいた場合、9年後には4割の人が亡くなっているという事実があるのをご存じでしょうか?原因は、脳梗塞・心筋梗塞・運転中の事故が上位を占めています。しっかりと対処しなければ命に関わってくる原因なんです。

まとめ

・運転中の眠気は睡眠障害の危険性あり
・肥満は眠気を悪化させる最大の原因
・日常的にお酒を飲む場合は要注意
・鼻炎は睡眠時無呼吸症候群の予備軍

しっかり寝ているのに運転中に眠気に襲われる原因として、代表的な3つの原因をお伝えしてきました。場合によってはダイエットをする必要があるかもしれないですし、もしかするとアルコール以外のストレス解消法を見つける必要も出てくるかもしれません。

どんな対処法を実践するかは人それぞれではありますが、ここで紹介した原因のどれか1つにでもあなたが当てはまるのであれば、運転中の眠気によって事故を起こす可能性は確かにあります。自分の命を守るためにも、早めに自分に合った対処法を見つけてみてはいかがでしょうか。