【目やに】目が開かない場合は要注意!原因と対処法は?

2016年9月19日

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目ヤニが出てくるのは、体の自然な働きの一部なので全く問題ありません。そもそも、なぜ目やにが出てくるのか?というと、これは古い細胞と新しい細胞が生まれ変わっているからです。頭からフケは誰でも出てきますが、これは古い細胞が剥がれ落ちているため。同じく垢も誰でも出てきますし、目やにも同じく目の粘膜などの細胞が古くなったものです。

こういった体の仕組みがあって目やにが出てくるわけですが、目が開かないほどの目やにが出ているとなると話は別です。実は目やににはもう1つの働きがあります。これが【目が開かない】ほどの目やにの大きな原因になっているんですね。

目やにの重要な役割とは?

目やににはもう1つ、重要な役割があります。それは、最近やウイルスといった異物が目に侵入した場合、体が本来もっている免疫反応の一部として目やにが出てくるという仕組みです。

私たちの体には外部からの侵入物に対して攻撃を加える働きがありますが、これは白血球が主に役割りをになっています。ウイルスとの戦いを終えて老廃物となった白血球などが目やにとして出てくるわけですが、この量が多いとなると、体に何か重大な問題が起きている可能性が高いので注意が必要です。

では、目が開かないほどの目やにが出てくる場合、どういった原因が考えられるのか?と言うと、原因は大きく分けて2つ考えられます。

細菌性・ウイルス性結膜炎の疑い

結膜炎にも2種類あって、1つ目が細菌性の結膜炎です。インフルエンザや黄色ブドウ球菌といった細菌性の病気に感染することによって目やにの量が増えるのですが、症状としては目が充血している事に加えてゴロゴロとした異物感を感じるケースが多いです。治療法としては、眼科で処方される抗生物質(市販薬も有効)の点鼻薬をしっかりと使用することで数日程度で治るので長期化することはほとんどありません。もし目にゴロつきを感じた場合には、しっかりと治療しましょう。

もう1つの結膜炎ですが、ウイルス性の結膜炎です。有名なところだと、アデノウイルス・ヘルペスウイルス・エンテロウイルスといったウイルスが非常に多いです。その名のとおりウイルス性の結膜炎なので、人から人へと感染してしまう結膜炎の一種。特に小さい子どもがかかることが多く、最近では「プール熱」などが有名ですね。症状としては、ウイルスによってそれぞれ症状の出方が変わってきます。

例えば、アデノウイルスの感染によって引き起きるプール熱であれば、目が開かないほどの目やにに加えて、涙が止まらない・まぶしく感じる・高熱が出るといった症状が出てきます。また、アデノウイルスが原因の結膜炎では、白目が充血して目が開かないほど大量の目やにが出ることも。

このように、ウイルス性の結膜炎の場合には【目やにが多い】ということに加えて、他の部分でも症状が出るケースが非常に多いので、他の体の不調に目を向けて適切な処置を行うようにしましょう。それぞれのウイルス性結膜炎の症状と対処法をまとめておきますので、参考にしてみてくださいね。

アデノウイルス性結膜炎⇒目やに・充血・腫れ・痛みを伴うこともあり。眼科で治療することで10日前後で症状が軽くなってきます。

プール熱⇒目やに・高熱・倦怠感・下痢などの症状。特効薬はないため、対処療法で自然に治るのを待つ治療法となります。(しっかり水分補給を意識しましょう)

ヘルペス性結膜炎⇒目やに・目の周囲に赤く小さな水泡が出る。治療法としては、抗ウイルス薬を飲んで炎症を抑える

エンテロウイルス性結膜炎⇒目やに・白目や瞼の裏に出血あり。ウイルスに効果のある薬は存在しないため、しっかり栄養を補給し休養すること。また、他の汗腺を防ぐためにステロイド点鼻薬を使って合併症防止。

アレルギー性結膜炎の疑い

目が開かないほどの目やにが出ている場合、アレルギー性結膜炎が原因のケースは非常に多いです。特に、花粉症や鼻炎体質と言った場合には、まずこのアレルギー性結膜炎を疑ってみてくださいね。

症状の大きな特徴としては、目やにが大量に出てくる事に加えて目のかゆみが強くなってくることが特徴です。「目やにが多い…目もすごく痒い…」という場合、ほとんどがこのアレルギー性結膜炎が原因になっています。

主な症状としては、目がゴロゴロする・ゼリー状の目やにが出る(目が開かない)・結膜が充血・まぶたの腫れなど。放置しておくと悪化する危険性が高まってしまうため、基本的には眼科医で診察してもらうようにしてくださいね。治療方法としては、アレルギー性結膜炎の治療として抗アレルギー点鼻薬を使用するケースが多いです。また、症状があまりにも強い場合にはステロイドを併用する場合もあります。

症状を悪化させない、また再発させないためにはまずアレルゲン(アレルギーの原因)対策をしっかりと意識すること。例えばハウスダストが原因で鼻炎症状が起きているのであれば、室内を清潔に保ったり換気を意識すること。掃除の仕方を工夫したり、まずは周りの環境を整えることを意識してみてくださいね。

アレルギー性鼻炎を改善するには

特にアレルギー性結膜炎になりやすい体質の場合、そのほとんどがアレルギー性鼻炎体質のケースが非常に多いです。一時的に抗アレルギー点鼻薬で治ったとしても、また再発する可能性は極めて高いので、アレルギー性鼻炎自体を改善・症状を抑えるための対処を考えていく必要があります。

では、どうすればアレルギー性鼻炎を改善することができるのか?というと、【体質改善で体の機能を高める】ということでしか改善できないんですね。そもそも西洋医学(現代医学)では、悪い部分に手当を施すという治療法のため、アレルギー体質のような症状には必ずしも良い影響をもたらすとは言えません。

点鼻薬しかり、内服薬しかり、ほとんどの薬には副作用があります。もし鼻炎症状や結膜炎の症状が再発しやすいのであれば、一時的に症状を抑えているだけで根本的な解決になっていない可能性が考えられます。

その反面、東洋医学では体が健康であるために働く力を強くすることが目的なので、再発を繰り返してしまうようなアレルギーや鼻炎・結膜炎とは相性が良いんですね。特に生薬・ハーブといった全身の機能向上が期待できる対処療法には副作用もほとんどなく、効果については多くの実証例があります。

症状悪化を防ぐためには点鼻薬や内服薬、また抗生物質などを使うという対処療法もありますが、【体質を改善して再発を防ぐ】という考え方もぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

【目やにの原因と対処法】まとめ

・目やにが多いのは重大な問題が起きている危険信号
・細菌性結膜炎の疑い
・ウイルス性結膜炎の疑い
・アレルギー性結膜炎の疑い
・再発しないよう体質改善を意識する

単純に目やにが気になる、というのであれば、ここで挙げた原因の他に環境的要因(黄砂やPM2.5・チリなど)も考えられます。ただし、目が開けられないほどの目やにの場合、しっかりと治療しなければ症状が悪化する可能性が高いので、まずは他にどのような症状があるのか?しっかりと観察するようにしましょう。

その上で、基本対策としては医者に相談する。そして、再発しないように対処療法を実践していくということも考えてみてはいかがでしょうか。