鼻の奥が乾燥する原因は?効果的な3つの対処法

2017年11月25日

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鼻の奥が乾燥して痛くなる症状をドライノーズと言います。特に空気が乾燥し出す秋口ごろから、この症状が出てくる人が多いのですが、ただ乾燥して痛くなるだけでなく、ムズムズと痒くなったりするのでとても深いな症状になっています。

なぜ、鼻の奥が乾燥するのか?

鼻の奥が乾燥する主な原因としては、空気が乾燥していることです。もともと鼻の奥は粘膜で守られているのですが、これが空気の乾燥によって影響を受けてしまい、乾燥して痛みを伴うんですね。乾燥する時期には目も乾きやすかったり、口や喉も乾きやすくなりますが、これと全く同じ現象が鼻の奥でも起きています。

ただ乾燥するだけなら良いのですが、鼻は呼吸によって外部からのホコリ・花粉・チリといった空気中に浮遊しているゴミ・有害物質が入ってきます。粘膜が乾燥している状態だと、ダイレクトに鼻の奥に有害物質が侵入してきてしまいますので、痛みなどの刺激を感じやすくなってしまうという仕組みになっているんですね。なぜ乾燥していると、有害物質が侵入しやすくなるのか?というと、これは乾いた砂漠を思い浮かべて頂くとわかりやすいです。カラカラに乾いた土には細かい隙間がびっしりとありますよね。鼻の粘膜もこれと同じで、隙間があることによって有害物質が侵入しやすくなってしまうわけです。

また、もともと花粉症やアレルギー性鼻炎という場合には点鼻薬を使っている人も多いですが、これも鼻の奥が乾燥する代表的な原因と言われています。点鼻薬の多くには血管収縮剤という成分が使われています。血管を収縮させることによって、鼻づまりを解消する(空気が通りやすくなる)という仕組みなのですが、薬で強制的に鼻粘膜の血管を縮めているわけですね。これを常用的に使ってしまうと、血管がダルダルに緩んでしまい、結果として血管自体が弱くなってしまいます。そうなると、鼻の奥が乾燥するということにもつながってしまうんですね。

特にアレルギー症状を持っていないという人の場合でも、ホコリや花粉といったものは体にとって有害であることは間違いないですし、刺激物でもあります。こうした刺激物が直接、鼻の奥に侵入するので痛みが悪化してしまうんですね。

鼻の奥が乾燥すると、こんな弊害も…

鼻の奥が乾燥している状態が続くと、花粉やホコリなどの有害物質が侵入しやすくなるということをお伝えさせて頂きました。これはイコール、鼻の調子がさらに悪化することにもつながるんですね。もともと花粉症やアレルギー性鼻炎体質の場合には、そのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が鼻の奥の方に吸収されやすくなってしまいます。

こうなってしまうと、鼻づまりが悪化したり、鼻水がダラダラ出てくるという症状が出てきてしまいます。ただでさえ、鼻水が続くと鼻をかむことが多くなって粘膜が傷つきやすくなってしまいます。これに加えて、鼻粘膜が乾燥しやすくなると、さらなる悪循環を生むことになってしまいますので要注意です。

まずは鼻の奥の乾燥対策を第一と考えて対策をしなければ、いくら薬を服用しても症状は改善しにくくなってしまうんですね。

どう対処すれば良いのか?

鼻の奥が乾燥する主な原因は空気の感想です。エアコンといった冷暖房も大きく影響しますので、空気が乾燥しているなと感じた場合には、しっかりと加湿することを意識しましょう。室内では加湿器を使ったり、寝る時には枕元に濡れタオルを置いておいたり。これだけでも、ずいぶん症状は変わってくるんですね。もちろん、鼻・口まわりの湿度を一定に保つためにはマスクをするということも効果的です。

まずは、こういった環境対策をしっかりと意識しましょう。そして更なる乾燥を防ぐためには、普段過ごすことの多い自宅やデスク周りなどを綺麗に掃除しておくということ。湿度対策をしっかり行っているという人は多いですが、意外にもこの掃除を軽視している人が非常に多いので注意が必要なんですね。

鼻粘膜は、ホコリなど有害物質が侵入することによって、さらに乾燥が進んでしまいます。この悪循環を断ち切るためには、空気清浄機を使うということも有効ですし、掃除機だけでなく濡れ雑巾などでしっかりと掃除をしてハウスダスト・花粉などを極力少なくしておくことが必要です。もし、「毎日細かいところまで掃除するのは難しい…」と、時間的な制約がある場合には、まず布団のお手入れを考えてみると良いですよ。

誰でも1日に6~8時間ほど睡眠時間を確保しますが、これは言いかえると1日のうち4分の1以上は布団と密着している時間があるということ。ご存じのとおり、布団は小まめに掃除してあげないとホコリ・ダニなどが溜まってしまいます。さらに寝ている間には、汗を大量にかくことによって必然的に体から水分が失われてしまいます。もちろん、粘膜の水分も持って行かれてしまうので乾燥しやすくなってしまうんですね。これを防ぐために、布団用掃除機を活用したり、天気の良い日は布団を天日干しするなど。まず最低限でも、布団・ベッドや枕の手入れは怠らないようにしましょう。

粘膜を強化して鼻の乾燥を防ぐには

鼻の奥が乾燥してしまうのは、粘膜に水分が足りていないため。これを防ぐためにはまず掃除や湿度を保つなど、環境的な対策が最重要ポイントになります。これに加えて、余力がある場合には鼻粘膜を強化するということもぜひ考えてみてくださいね。

ほとんどの人が、体の調子が悪くなると薬に頼ったり、掃除など環境対策だけで済ませてしまいます。ただし、本当に重要なのは「強い体をつくっていく」ということです。鼻に関しても同じです。特に乾燥しやすい季節には肌も乾燥しやすくなりますし、唇がカサカサになることもありますよね。鼻の乾燥も原理としてはこれと同じですが、実は粘膜自体を強くすることが可能なんです。

粘膜を強化するには、ポイントは2つだけです。1つ目は睡眠についてです。睡眠中には成長ホルモンという物質が体内で生成されるのですが、これは傷ついたり乾燥してしまった粘膜・細胞などを修復してくれる物質です。この成長ホルモンは午前0~3時に分泌されると言われていますので、この時間帯はしっかりと寝ているようにしましょう。睡眠時間自体は、人によって6時間だったり8時間だったり、必要な時間帯は変わってきます。ただし、この成長ホルモンの話に関しては、誰でも分泌されやすい時間はある程度決まっていますので、まずは睡眠時間を意識しましょう。

粘膜を強くしてくれる栄養素が「ムチン」という栄養素です。これは納豆・なめこ、オクラ・ヤマイモなど「ネバネバ系の食材に多く含まれている」植物性のムチンとは別のものです。このネバネバ系の食材に含まれているムチンという成分が、鼻や目など粘膜自体にも含まれている成分なので、粘膜を強化するにはぴったりなどというのは間違った見解のようです。

むしろ、レバーや乳製品などビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6などを含む食べ物を摂取することが粘膜強化には有効です。

その他にも、粘膜を強化するためにはストレスを溜めない、暴飲暴食を避ける、などといったルールはありますが、まずはすぐに実践しやすい睡眠と食事を意識してみてくださいね。

まとめ

・空気の乾燥によって鼻の奥が乾燥する
・点鼻薬も乾燥の原因になる
・鼻の奥の乾燥が続くとアレルギー症状の悪化にもつながる
・加湿器や濡れタオルなどで湿度対策をする
・布団の手入れを怠らないこと
・午前0~3時はしっかり寝ておく(粘膜修復のため)
・粘膜を強くする食べ物を食べる

この記事では、鼻の奥が乾燥する原因と対策についてご紹介してきました。鼻と同じく粘膜で守られている目で考えるとわかりやすいのですが、やはり乾燥が続いてしまうと傷ついてしまったり、痒みの原因にもなってしまうんですね。

特に鼻にもともとアレルギーをお持ちの方の場合はアレルギー症状が悪化する大きな原因にもなってしまいますので、しっかりと対策をするようにしましょう。こうした細かい意識を積み重ねることで、実はアレルギー症状の悪化を防ぐことはできるんですね。