アレルギー性鼻炎にアレロックが効かない!原因と対処法は?
アレルギー性鼻炎の症状を抑えるためには主に飲み薬・点鼻薬のどちらかを処方されることが多いです。中でも多いのが、アレロックという飲み薬。アレロックは抗ヒスタミン(第2世代)というタイプの薬に分類されていますが、花粉症などのアレルギー性鼻炎だけでなく、皮膚のかゆみなどにも効果があるのでアトピー性皮膚炎の薬としても広く利用されている薬となっています。
実際にアレロックを使っている鼻炎体質の人はとても多く、アレルギー薬の中では常に第1位・第2位を競っているほど日本で広く処方されている薬となっています。鼻炎などの鼻づまりに効果がありますし、広く普及しているという背景もあるので、病院でもお医者さんは「まずアレロックを出すので様子を見て下さい」というケースが非常に多いんですね。
ただ、耐えられないほど辛いアレルギー性鼻炎の症状が続いているのに、「アレロックを飲んでも効かない…」という人は実はかなり多いんです。この記事では、なぜアレロックが効かないのか?他にどういった対処法をすれば良いのか?についてまとめていきます。
そもそも、アレロックが鼻炎に効く仕組みは?
あなたは既にご存じかもしれないですが、そもそもアレルギー性鼻炎で鼻水や鼻づまりなどの症状が出てくる原因は、体内で放出されているヒスタミンという物質が影響しています。このヒスタミンですが、もともとは体内に侵入してきたアレルゲン(花粉やホコリなどのアレルギー物質)に対して体の免疫細胞に働きかけるという役割りを持った物質です。このヒスタミンが大量に分泌されることによって、くしゃみ・鼻づまり・鼻水といった鼻炎症状が出てきてしまうんですね。
そして、アレロックは抗ヒスタミン薬ですので、このヒスタミンの分泌を抑える効果を持っています。わかりやすくいうと、アレルギー反応を起こすのを防いでくれる効果をアレロックは持っているわけです。こうした抗ヒスタミン薬は、アレルギー性鼻炎を始め、アトピーなどアレルギーが原因となる病気の治療薬としては、実は最も歴史の古い薬なんですね。
現在までに第一世代・第二世代と大きく分けて2タイプの抗ヒスタミン薬が世に出てきましたが、アレロックは台に世代の、さらに後半の抗ヒスタミン薬となっています。ちなみに、第一世代と第二世代の大きな違いとしては、第二世代の方が副作用が少なくなっています。また、第一世代と比べた場合にアレルギー性鼻炎に対する鼻づまり解消効果がやや強くなって登場しました。
第二世代の抗ヒスタミン薬の代表格として出回っているアレロックですが、他の鼻炎薬に比べて副作用が少ないにも関わらず、飲んでから10~20分ほどで効果が現れるというメリットもあり広く処方されています。
実際、どのくらいの割合で効果が出ているのか?
広く処方されている抗ヒスタミン薬(アレロック含む)ですが、実は効果を体感しているという人はそれほど多くないんですね。具体的には、「いちじるしい効果を体感した」という人は使用例の15%ほど、そして「効果があった」という人を含めても30~40%ほどに留まるんですね。
実際にアレロックのような抗ヒスタミン薬を飲んだ人の実に6~7割は「効かない」と感じているという事実があるんです。
なぜアレロックが効かないのか?
アレロックを飲んでも効かないという大きな原因の1つとして、薬の効果を上回るほど鼻炎症状が悪化してしまっているというケースが非常に多いです。わかりやすく言うと、広く処方されているアレロックという薬では、症状を抑えきれていないというわけです。
アレルギー性鼻炎の治療薬としては抗ヒスタミン薬だけでなく、様々なタイプの治療薬が存在します。ただし、他の薬に比べるとアレロックは副作用が少ないということは既にご紹介させて頂いたとおりです。もちろんアレルギー性鼻炎だけではないですが、【副作用が弱い=薬としての効果も弱い傾向にある】ということをぜひ覚えておいてくださいね。
薬と言うのは基本的にその症状を抑えるためのものですが、やはり効果がある反面、どうしても副作用がついてきてしまいます。そして、その副作用は効果の度合いに左右されるケースがほとんどです。
どんな薬だとアレルギー性鼻炎に効くのか?
アレロックが効かない場合、薬で症状を抑えようとすると更に効果の強いタイプのものを選ぶ必要が出てきます。例えば、鼻に噴射するタイプのステロイド薬。アレルギー性鼻炎による炎症を改善する効果があるので鼻づまり・鼻水に効果がありますが、抗ヒスタミン薬が効かかった人がこの鼻噴霧用ステロイド薬を使ったところ症状が楽になった、というケースは非常に多いので、このように別のタイプの薬で対処するという方法もあります。
ただし、この鼻噴霧用ステロイド薬にもデメリットはあります。それは、【即効性がない】ということ。このことを知らずに使ってしまうと、「効果が出なかったから使うのをやめた」となってしまうんですね。ただし、このタイプの点鼻薬は数日間、使い続けることで高い効果を発揮してくれます。
また、副作用の面でもデメリットは存在します。ステロイドと聞くとあなたもすぐに副作用の危険性を思い浮かべるかもしれないですが、ステロイドには体内のナトリウム・カリウムなどの代謝を乱してしまう副作用があるんですね。また、免疫に必要な細胞の機能低下のために感染症になりやすくなってしまったり、むくみやすくなるという副作用も存在します。
こういったメリット・デメリットを考えたうえで、「鼻炎症状を抑えることが大事なのか?」「それとも、副作用の危険性を考慮するのか?」という判断をしてみてくださいね。
薬に頼らずにアレルギー性鼻炎対策をするには
ここまででアレロックが効かない理由と、そんな場合にどういった薬を選べばよいのか?についてまとめてきました。ただ、アレルギー性鼻炎の症状を抑えるということを考えるのであれば、対処法は薬だけではないんですね。
例えば、自律神経を整えてアレルギー性鼻炎の症状を抑えるという対処法もあります。そもそも鼻炎症状が悪化してしまう大きな原因にもなっているのが、自律神経の働きです。どういうことかというと、人には交感神経と副交感神経の2種類が存在していることはあなたもご存じかと思います。
交感神経は、日中の活動時に優位になる神経ですが、その作用としては血圧を上昇させたり、体を活動させたりといった働きを持っています。逆に、副交感神経は寝ている時やリラックスしている時などに優位に働く神経です。働きとしては、血管を拡張して血流を促し、体を休めるという効果を持っています。
健康体であればこの2つの神経バランスがとれている状態なのですが、睡眠不足が続いてしまったり、ストレスを感じることによって交感神経が過度に活発になってしまうんですね。そうすると、体内の有益な細胞を破壊してしまうという事態が引き起きてしまいます。自分自身を攻撃してしまうわけです。するとアレルギー性鼻炎の症状も悪化しやすくなってしまうんですね。
こういった状況を防ぐためには、副交感神経を刺激して、常に副交感神経が優位に立つように意識してあげることが重要になってきます。とは言っても、副交感神経を過剰に優位にさせてしまうと、免疫過剰になってしまうので、アレルギー性鼻炎の悪化につながってしまいます。こういった背景があるので、自律神経のバランスが大事になってくるんですね。
どうやって自律神経のバランスを整えれば良い?
自律神経のバランスを整えることがアレルギー性鼻炎の症状を軽減させるために重要だということをお伝えしてきました。では、どうやって自律神経のバランスを整えれば良いのか?というと、まずは自律神経を乱す大きな原因になっているストレスを探してみてくださいね。
「今の悩みは何なのか?」「働き過ぎていないか?」こういった部分から自分の生活を見つめ直して、なるべく気持ちを切り替えていくことが自律神経のバランスを整えることにつながるんですね。もちろん、睡眠不足が続いているようであれば意識的に睡眠時間を増やすというのも効果的です。
また、体温を上げることも自律神経を整えることに直結します。これは、血流が良くなることによって、体はリラックスしやすくなってくれます。「冷えは万病のもと」とはよく言いましたが、まさに冷えは大敵なんですね。適度な運動をしたり、ゆっくりとお風呂に入ったり。また、体を温める作用のある食材(生姜など)を意識的に摂取することも、自律神経を整えることにつながり、結果的にアレルギー性鼻炎の症状軽減につながってくれるんですね。
【アレロックが効かない原因と対策】まとめ
・「効かない」と感じている人は6~7割もいる
・薬の効果を上回るほど鼻炎症状が悪化している可能性
・アレロックが効かない場合には鼻噴霧用ステロイド薬を試すなど
・効果の高い薬ほど副作用も強い
・自律神経を整えることで鼻炎症状が軽減される
・ストレス軽減・血流促進を意識する
アレロックが効かない場合には更に効果の強い薬を使うという方法もありますが、そのぶん副作用の危険性も高まってしまいます。耐えられないほど症状が悪化している場合に短期的に薬を使うという対処法もありますが、薬に頼らなくても症状を軽減することは可能なんですね。
この記事内では自律神経を整えることで症状を緩和する方法をご紹介しましたが、他にも対処法は無数に存在します。その中から、自分に合っている方法、そして継続できる方法を実践していくとストレスも少なく過ごすことができます。どんな対処法も、万人に向いているという方法は存在しないので、ぜひご自身に合った対処法を見つけてみてはいかがでしょうか。
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