トラマゾリンが胎児に与える影響は?発達障害の危険性も…

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トラマゾリンは耳鼻科で処方されることの多い点鼻薬ですが、妊娠中に使用する場合には注意が必要です。もともとアレルギー性鼻炎の場合はもちろん、妊娠をきっかけに鼻づまりに悩まされてしまう妊婦さんはとても多いです。そんな場合にも、耳鼻科では「赤ちゃんには影響がない点鼻薬ですよ」と言ってトラマゾリンが処方されることが多いですが、一方で危険性も指摘されている点鼻薬でもあるんです。

そもそもトラマゾリンってどんな薬なのか?

点鼻薬にも色々な種類がありますが、トラマゾリンは強い血管収縮作用のある点鼻薬となっています。鼻粘膜に存在している毛細血管を収縮させることによって鼻づまりを解消するというのがこの点鼻薬の目的です。

そもそも鼻づまりが起きてしまう原因は、アレルギーが原因ということもありますが、妊娠中の場合には血液量が増加するので鼻粘膜が膨張しやすくなってしまいます。また、ホルモンバランスが変化するので、もともとアレルギー体質でなかった場合にもハウスダストなどちょっとした刺激に過剰に反応してしまい、鼻づまりを引き起こしてしまいます。これをトラマゾリンの血管収縮作用によって強制的に血管を収縮させることで鼻づまりを解消しています。

こういった特性があるので、即効性があるというのがトラマゾリンの特徴です。妊娠中に鼻づまりが悪化するとストレスが溜まってしまったり、場合によっては鼻呼吸できずに寝苦しくなってしまって睡眠不足になってしまったり。睡眠不足はもちろん胎児にとっても悪影響ですから、なんとか解消する必要があります。ただし注意しなければいけないのが、トラマゾリンが胎児に与える影響です。

トラマゾリンは胎児にどんな影響を与えるのか?

トラマゾリンは血管を収縮させる作用によって鼻づまりを解消するというお話をしましたが、この薬の成分は微量ですが体内に吸収されていきます。その結果として、心血管系に影響を及ぼす危険性(副作用)が指摘されているんですね。特に高血圧の人や心臓に持病がある人は使うべきでないとされていますが、妊婦さんの場合も要注意です。

血管を収縮させるために血圧を上げる副作用が指摘されているのがトラマゾリンですが、妊娠中に高血圧になってしまうことによって胎児に悪影響があるというのはあなたもご存じかと思います。産婦人科でも、血圧測定がしっかり行われるくらいに妊婦さんにとって高血圧は天敵なんですね。

あまりにも血圧が上がり過ぎてしまうと妊娠高血圧症となってしまいますが、これは早産になってしまったり、胎児が発達障害になってしまうリスクを高める危険性が上がってしまいます。こういったリスクを避けるためにも、なるべくトラマゾリンなど血管収縮タイプの点鼻薬は多用しないように注意しましょう。「医者が大丈夫だと言ったから、きっと大丈夫」では万が一の時にだれも責任をとってくれません。赤ちゃんの体を守るのはあなた自身ですから、ぜひ慎重に判断するようにしてみてくださいね。

トラマゾリンの副作用とは?

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実はトラマゾリンには他にも、あまり一般的には知られていない副作用があります。それは、鼻づまり症状が悪化する危険性です。実際、トラマゾリンだけでなく血管収縮作用のある点鼻薬のほとんどは【長期的に服用すべきではない】と注意喚起されています。これはどういうことなのか?少し詳しくお話しますね。

トラマゾリンは血管を収縮させる作用によって鼻づまりを解消するということをお伝えしてきました。アレルギー症状や血管増量によって膨張してしまった鼻粘膜の毛細血管を縮めて空気の通り道を作るというのがトラマゾリンのトラマゾリン役割りになってくるわけですが、即効性がある半面、副作用が存在します。

それは、薬で強制的に血管を縮めさせているために、血管への負担が大きすぎるということです。常に薬で血管を縮ませている状態が続いてしまうと、血管そのものの弾力性が弱まってしまうんですね。そして、モロくなってしまいます。この状態が続くと血管自体がユルユルで自分自身では収縮させる能力が低下してしまいます。そしてよく出てくる副作用の症状として、もろくなった血管が破裂して鼻血が出るということ。こうなってくると鼻粘膜自体がかなり弱っているので、鼻づまりが悪化する危険性が高いんですね。

これを薬剤性鼻炎と言いますが、薬の副作用によって鼻炎症状が悪化してしまった状態のこと。一度こうなると、もとの状態に戻すことは難しいので、やはりあまり多様しない方が無難ではあります。

点鼻薬に頼らずに鼻づまりを解消するには

妊娠中は特に胎児への影響を考えると、点鼻薬にあまり頼り過ぎるのは良くありません。なるべく薬に頼らずに鼻づまり対策をすることが重要になってくるんですね。そんな場合にぜひ試してみて頂きたいのが、体の冷えを取る入浴法です。特に妊娠中には赤ちゃんのためにも体を冷やさないことは大事なので、ぜひ意識して毎日の習慣に取り入れてみてくださいね。

なぜ体を温めることが鼻づまり解消に効果的なのか?というと、これにはしっかりとした理由があります。実は低体温は自律神経と深い関わりがあるんですね。具体的には体温が36度よりも低い人は自律神経のうち、交感神経か副交感神経のどちらか一方が過剰に働いてしまっているということがわかってきているんです。これは、低体温自体が自律神経のバランスを崩すことにつながっているということ。自律神経のバランスが崩れることによって、免疫システムがうまく働かなくなってくるので、鼻づまり症状も悪化しやすいんですね。

そしてこの低体温を解消してくれる入浴法ですが、とってもカンタンです。38~40℃のぬるま湯を胸の高さまで張り、15~30分ほどかけて体をじっくりと温めるということ。体を温めるために41℃以上の高温に浸かる人が多いですが、これはNGです。急に体が温まってしまうので、負担が大きいんですね。特に妊娠中には38~40℃でじっくりと体を温めるのが効果的です。

まとめ

・トラマゾリンは血管を収縮させるタイプの点鼻薬
・血管を収縮させるために血圧を高める危険性あり
・血圧が高まることによって早産や発達障害になるリスク
・長期的にトラマゾリンを使うと鼻づまりが悪化する危険性も
・低体温対策をすることで鼻づまり軽減の効果が期待できる
・38~40℃のお湯に15~30分浸かる習慣

ここで紹介させて頂いた入浴法は、数ある鼻づまり対策のうちの1つの方法です。自律神経のバランスを整えることが重要ということをお伝えしましたが、体を温める入浴法は妊娠中にも実践しやすい対処法なのでご紹介させて頂きました。

それ以外にも、腸内環境を整えることによって自律神経を整える方法や、抗ヒスタミン作用を活用した鼻づまり対策など。実に色々な対処法がありますが、まずは実践しやすく継続しやすい方法から生活に取り入れてみてくださいね。