【副鼻腔炎の抗生物質】副作用とは?それ以上に怖い危険性も…

2016年10月30日

7af9350af8e62105246a2272fa6d0381_s副鼻腔炎は一度かかってしまうと再発しやすいので、生活の様々な面で不便やストレスが出てきてしまいますよね。毎日どんなに注意して生活していても頭痛はするし、鼻づまりもする。鼻づまりのせいで睡眠不足になったり仕事に差し支えが出てきたりと…また、鼻づまりのせいで食事の味がわからなかったり…。常に悩みがつきまとってきてしまう抗生物質。

抗生物質の治療法といえば、炎症を抑えるために吸入器を使って薬剤を注入したり洗浄したり。そのうえで炎症が悪化しないように飲み薬を飲む方法が主流ですよね。それでも症状が悪化した場合には病院から手術を勧められることもありますが、「飲み薬を飲んでいても症状がぜんぜん良くならない…」という状況で常用しているケース。

抗生物質の治療薬としては基本的にマクロライド系の抗生物質(エリスロマイシンやクラリスロマイシンなど)が使われることが多いですが、やっぱり抗生物質を常用しているとなると副作用が心配なところ。

抗生物質の効果を再確認

「副鼻腔炎の抗生物質を数カ月飲み続けることで症状が改善してくる」と医者に説明されて飲み続けている人も多いですが、これは抗生物質が副鼻腔にある細胞に働きかけて鼻水を出す働きを抑える働きを持っているため。また、粘液が過剰に分泌されることを防ぐ効果が抗生物質にはあるので、副鼻腔炎の症状を抑えてくれるとされているんですね。

こうして炎症を抑えながら余分な粘液の分泌を防ぐことによって副鼻腔炎が悪化することを防ぎ、完治を目指していくという抗生物質ですが、もちろん薬なので副作用は存在します。

抗生物質のキケンな副作用とは?

副鼻腔炎に使われているマクロライド系の抗生物質は炎症を抑えることに対して強い効果を発揮してくれますが、効果が強い薬になればなるほど、そのぶん副作用は大きくなってしまいます。もちろん、全ての人に必ず副作用が起きるというわけではありません。ただし、どういった副作用があるのか?これを知っておかずに抗生物質を飲み続けて放置してしまうと、更に健康状態を悪化させることにもつながってしまいますので注意してくださいね。

どういった副作用があるのか?というと、特に多く指摘されているのが肝機能障害です。肝機能障害というと、症状を確認しにくいようなイメージがありますが、肝機能障害の症状としては、発熱・かゆみ・発疹・倦怠感・食欲不振です。ここでぜひ覚えておいて頂きたいのが、【肝機能障害が起きる⇒その後、倦怠感などの症状が起きる】ということです。倦怠感が症状として出てきた時には、「これが副作用かー…」と安易に考えてしまいがちですが、これは結果的に体に出てくる症状です。

まず肝機能障害が起きて、その後に倦怠感といった症状が出てくるということなので、もし倦怠感や発熱・発疹といった症状が出ている場合には、【すでに肝臓の機能に障害が起こっている】ということなんです。ということは、体に症状が出てきている時には対応が遅いというケースも考えられるんですね。これって本当に怖いですよね。

こういった肝機能障害を引き起こすような症状を【薬物性肝障害】と呼ばれますが、知らないうちに症状が進行するのを防ぐためには肝機能検査を行う必要も出てくるんですね。もし何カ月も副鼻腔炎の抗生物質を飲み続けている場合には検査を行った方が良いです。また、肝臓だけでなく、腎臓や神経系の障害も副作用で引き起こすケースもあります。特にアレルギー体質の人には副作用が出やすいという傾向も確認されていますので注意しましょう。

副作用以上に怖い危険性とは?

副鼻腔炎の抗生物質を飲み続けることで肝機能障害が副作用として起きてしまう危険性もありますが、本当に怖いのは副作用だけではありません。その危険性について、わかりやすく説明していきますね。

まず1つ目の危険性ですが、副鼻腔炎の原因になっている細菌が抗生物質に慣れてしまうこと。感染ウイルスなどを考えて頂くとイメージしやすいですが、鳥インフルエンザや豚インフルエンザなど、ウイルスはその環境でも生きていけるように変異していくものです。「最初のうちは抗生物質で副鼻腔炎の症状を抑えることができていたのに、少しずつ効かなくなってきた…」という場合、既に細菌が抗生物質の倒し方を覚えてしまっている可能性があります。これはよく考えると当たり前のことなんですよね。同じ抗生物質が何度もやってくれば、細菌もそれに負けないよう進化していきます。

さらに、抗生物質の場合は体に残っている時間が少ないという特性がありますので、飲み続けることによって細菌も自分たちを守るすべを編み出すいという、大きな落とし穴があるんですね。

また、細菌類が進化するだけでなく、抗生物質を飲み続けることによって、あなたの体も薬に対する抵抗を獲得してしまいます。これが長い期間続いてしまうと、体も抗生物質を排除するコツを覚えてしまうので、薬を飲んでも副鼻腔炎が良くならないという方向に進んでいく危険性が考えられます。

こうなると、どんどん強い抗生物質を使わなければ効果が出てこなくなってしまうので、肝機能障害といった副作用も出やすくなってしまいます。

副鼻腔炎が再発する理由とは?

抗生物質を飲み続けることによって起きる可能性のある副作用も怖いですが、しっかりと知っておいて頂きたいのが【なぜ副鼻腔炎は再発しやすいのか?】ということです。これを知らなければ、根本から副鼻腔炎を治すということは不可能なんです。

なぜ副鼻腔炎は再発しやすいのか?それには理由は2つあります。まず1つ目の理由ですが、細菌を副鼻腔から完全に除去することができないため。抗生物質などの薬や点鼻薬などが副鼻腔炎対策として病院では処方されますが、薬だけではどうしても完全に細菌をやっつけることはできません。少しでも細菌が残っていることによって、何かちょっとしたきっかけ(免疫力の低下など)によって副鼻腔炎は再発してしまいます。

もう1つの理由ですが、それはあなたの体質です。もともとアレルギー体質の人は副鼻腔炎を起こしやすいですが、そもそもこの体質自体を変えなければ副鼻腔炎は再発してしまいます。加えて、ハウスダストや花粉、また大気汚染などによって同じ症状を繰り返す危険性が高まってしまいますので、こうした環境的な要因にもしっかりと対処する必要があるんですね。

特に2つ目の理由への対処が、副鼻腔炎を再発させないための鍵になってきます。【副鼻腔炎を再発させないための体質づくり】をしていくことが重要なんですね。

【副鼻腔炎の抗生物質】副作用と危険性のまとめ

・肝機能障害が起きた結果として倦怠感や発熱などの症状が出る
・抗生物質を飲み続けている場合には検査することも大事
・抗生物質によって細菌は進化する危険性がある
・体も抗生物質に慣れてしまって効果が出にくくなる
・副鼻腔炎を再発させない体づくりが重要

副鼻腔炎の治療法としては、抗生物質を服用する治療法、そして手術による治療法が主流になっているのが現代医学です。ただし、この現代医学は【悪い部分を手当てする】という考えが基本にあります。ただし、それだけでは充分ではないんですね。

副鼻腔炎が再発する原因の部分でもお伝えしましたが、体質自体が副鼻腔炎になりやすいのであれば、その体質を変えていく必要があります。局所的に副鼻腔だけをなんとかしようとしても、また再発してしまうのは当然のこと。慢性副鼻腔炎を抱えている場合には、体全体の機能をアップさせるということを考えてみてはいかがでしょうか。