妊娠中に点鼻薬を選ぶ3つの基準とは?危険な副作用に注意
アレルギー性鼻炎の症状はただでさえ辛いのに、妊娠中となると更に身体的・精神的な負担は大きくなってしまいますよね。そもそも妊娠中にはホルモンバランスが妊娠前と比べると急激に変化します。今まで目立たなかった鼻炎も、急に症状が悪化するという妊婦さんはとても多いんですね。
基本的に妊娠中には赤ちゃんへの影響を考えると、薬は使うべきではありません。これは、どんな薬でも副作用があるのが当たり前なので、万が一を考えると赤ちゃんの健康を損なうことにもつながってしまうからなんですね。
とは言っても、妊娠中に鼻炎症状が悪化してしまうと母子ともに悪影響が考えられるので、あまりにも我慢できない場合には点鼻薬で症状を一時的に抑えてあげる必要も出てくるかと思います。そんな場合、やはり気になるのが点鼻薬の副作用ですよね。この記事では、点鼻薬の副作用・使う場合の注意点についてまとめていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
妊娠中に注意すべき点鼻薬の副作用とは?
点鼻薬の場合、内服薬とは違って体全体への副作用は少なく、赤ちゃんへの影響も少ない(もしくは影響がない)とされています。ただ、産婦人科で「鼻炎が辛いので薬をお願いします…」と頼んでも、「専門外なので耳鼻科に診てもらってください。」と言われることが多いです。そして耳鼻科に行くと「妊娠中なら、通っている産婦人科に聞いてください。」と言われたり…。まさに、たらいまわしにされるケースは非常に多いんですね。
これはなぜか?というと、答えは単純です。耳鼻科も産婦人科も、【もし点鼻薬を出して赤ちゃんに影響があった場合に責任をとりたくないから】ということ。これに尽きます。どんなに副作用が少なかったり、今まで胎児への影響がないとされていた点鼻薬でも、影響がゼロということはありません。これは薬という性質上、どうしれも副作用ゼロという可能性は考えられないからなんですね。
例えば、点鼻薬としてよく使われているステロイド系の薬。これも局所的に使うので、「鼻の粘膜から吸収される量はごくわずかなので、心配はない」と言われています。ただ、本当にそうなのか?というと、断定はできないんですね。というのも、ステロイド系の薬にはホルモンバランスが崩れるという副作用の危険性も指摘されています。
ただでさえホルモンバランスが崩れやすい妊娠中、さらにホルモンバランスが崩れるとどうなるか?これは赤ちゃんへの影響がゼロとは決して言えないんですね。このように、点鼻薬だけに限らず、薬には必ず副作用の危険性がついてきてしまいますので、妊娠中には特に注意しましょう。
これをしっかりと理解した上で、どうしても鼻炎症状を我慢できない場合だけ、危険性と注意点を理解した上で点鼻薬を使うようにしてみてくださいね。
点鼻薬を選ぶ3つの基準とは?
妊娠中に点鼻薬を使うことで赤ちゃんに影響が出る可能性が、ごくわずかでも考えられることはわかった。ただそれでも、どうしても鼻炎の症状が辛いので点鼻薬を使いたい。そんな場合、注意すべきことが3つありますので、ぜひ覚えておいてくださいね。点鼻薬と言っても、代表的なところで言うとナゾネックス・アラミスト・ナザールなどなど。本当に色々な種類がありますが、この3つの注意点をしっかり把握した上で選ぶようにしてみてくださいね。
まず1つ目ですが、市販薬は避けること。なぜか?というと、点鼻薬に限らず全ての薬に言えることですが、妊娠中に薬を使用する場合。【薬を使うことによるメリット】と【薬を使うことによるデメリット】この2つをてんびんにかけた時、メリットが上回る場合のみ薬を使うというのが、妊娠中の大原則なんですね。これを自分で判断することはできませんので、しっかり説明してくれる医療機関を探してみましょう。
そして2つ目の注意点ですが、絶対に使ってはいけない点鼻薬についてです。それは、プラノプロフェンという成分を含んでいる点鼻薬です。これはなぜかと言うと、この成分を妊娠中に摂取することで出産が遅れてしまうということが、既に確認されているんですね。難産になってしまったり、赤ちゃんの発達障害につながる危険性も高いので、この成分が含まれていないことを必ず確認してくださいね。
最後、3つ目の注意点です。それは、妊娠16週ごろまではどんな点鼻薬も使わないということ。もしかしたらあなたはまだ妊娠16週に達していないかもしれないですが、そういった状況でしたら点鼻薬は絶対に使わないようにしてください。妊娠16週ごろまでの妊娠初期は点鼻薬に限らず、どんな薬も服用を避けるようにしてくださいね。特に妊娠初期は赤ちゃんがまだまだ小さいので、薬の成分がほんの少し移行してしまうだけでも、命の危険性すらあります。これは必ず守ってくださいね。
点鼻薬以外の対処法も考えてみる
妊娠中に点鼻薬を使うことは赤ちゃんに影響は少ないとされていますが、何度もお伝えしているとおり「副作用ゼロ」ということはありえません。それがどの程度、出てくるか?というだけの違いなんですね。ただ実は、赤ちゃんへの影響を気にせずに鼻炎症状を抑える方法もあります。それが、薬に頼らない対処法です。
点鼻薬を使った鼻炎・鼻づまり対策は、局所療法となっています。わかりやすく言うと、「悪い部分に手当を施す」という方法ですね。例えば、「頭が痛いから頭痛薬を飲む」ということと同じこと。「なぜ頭が痛くなるのか?」その原因自体を解決しなければ、結局は根本的な解決になりませんし、薬を飲み続けることによって効果も薄くなっていってしまいます。
ではどうすれば良いのか?というと、対処療法としては大きく分けて2つあります。
まず1つ目は、生薬やハーブを用いた鼻炎対策をするということ。実はあまり広く知られていませんが、生薬やハーブなど漢方は、その効果について多くの実証例があるんですね。例えば鼻炎・花粉症にはシソの葉・甜茶・キキョウエキス・カモミールなどが高い効果があるとされています。もちろん、中には妊娠中には使えない成分・漢方もありますので、その点は注意する必要があります。ただ、その点だけ注意すれば副作用はないので、妊娠中でも安心して使うことができるという大きなメリットがあるんですね。
2つ目の対処法としては、【鼻炎症状が出にくい環境づくり】をしっかりと意識することです。鼻炎・鼻づまりと言っても原因は人それぞれですが、例えばホコリ・ダニなどが原因で鼻炎症状が起きている場合。これは室内のホコリ・ダニなどをしっかり除去することでかなり症状を抑えることはできるんですね。例えば、ホコリを舞いあがらせてしまうような掃除機を使った掃除の仕方ではなく、濡れ雑巾を使ってホコリを舞いあがらせないように掃除するなど。たったこれだけの工夫でも、症状はかなり抑えることができます。
【ワンポイントアドバイス】くしゃみって影響はあるの?
鼻づまりや鼻炎の症状が続いていたら、どうしても赤ちゃんへの影響が気になってしまいますよね。ただ、実はそれほど心配する必要はないんです。妊娠初期でしたら流産の心配がありますが、その原因のほとんどは染色体異常など赤ちゃん自身によるもの。ママのせいで…ということはかなり少ないんですね。
くしゃみが続いて腹圧が気になる場合でも、赤ちゃんへの影響は気にしすぎないようにしてみてくださいね。ただ、くしゃみの回数があまりにも多いとママの腰への負担が大きくなってしまう危険性があります。そんな場合は、壁に手をついてクシャミをするなど、お腹と腰への負担が少ないように工夫をしてみてくださいね。
【妊娠中に点鼻薬を使う場合の注意点】まとめ
・副作用ゼロ、という保証はない
・市販の点鼻薬は避けること
・プラノプロフェン入りの点鼻薬は避けること
・妊娠16週ごろまでは使わないこと
・生薬やハーブを使った対処法もある
・掃除の仕方を工夫する
この記事では、妊娠中に点鼻薬を使う場合の副作用と注意点についてまとめてきました。基本的に赤ちゃんへの影響は少ないとされている点鼻薬ですが、もし使う場合にはしっかりと注意点を守ること。そして、可能であればなるべく使わないようにする方が良いです。
ぜひ忘れないでおいて頂きたいのが、【何かあっても誰も責任をとってくれない】ということです。鼻炎症状が辛すぎる場合には点鼻薬を使うこともあるかと思いますが、その他にどんな対処法があるのか?これを知っておくだけでも危険性をぐっと低くすることができるんですよ。
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