小青竜湯の危険な副作用とは?いつまで飲み続ければ良い?
花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎ですが、「薬は副作用が辛いので漢方を飲み続けている」という人も最近では増えてきました。その中でも、特にアレルギー性鼻炎の人に処方されることの多い漢方薬が小青竜湯です。
小青竜湯は花粉症・気管支喘息・アレルギー性鼻炎から風邪まで幅広く処方されていますが、鼻水・鼻づまりに効果があるとされています。基本的には自然由来の生薬を組み合わせて配合されている漢方薬である小青竜湯ですが、西洋的な薬に比べると副作用が出にくいということは広く知られていますね。
ただ、小青竜湯を継続して飲み続ける場合。果たして、本当に副作用はないのか?というと、そうでもありません。一般的な薬に比べて副作用は少ないですが、全くないというわけではないんですね。
小青竜湯の副作用とは?
鼻炎に効果のある小青竜湯ですが、副作用は存在します。特に注意したいのが、小青竜湯に含まれている麻黄(まおう)という成分です。悪寒・咳を取り除くといった効果があるので小青竜湯にも成分に含まれていますが、この生薬の成分の中に「エフェドリン」という成分が更に含まれています。
このエフェドリンが影響して副作用が出ることがあるのですが、食欲不振・吐き気・不眠・胃の不快感などです。それほど多いケースではないですが、もし副作用が出た場合には、症状によっては治療が必要になってきますので、なるべく早めに病院に相談してみるようにしてみてくださいね。
注意すべきの副作用とは?
軽い副作用としては食欲不振・吐き気といった症状ですが、中には注意すべき副作用があります。というのも、実際に小青竜湯を飲んだ場合の副作用として肝障害・肺炎が報告されているんですね。これは悪化すると体に重大な影響を及ぼす危険性が非常に高いです。
特に鼻炎対策で小青竜湯を飲んでいる場合、ほとんどの人が継続して飲み続けてしまいますから、副作用が出ても気にせず飲み続けてしまうと逆に体を壊すことにもつながってしまいます。
肝障害・肺炎の前兆として、「息切れ」「呼吸困難」「咳」こういった症状に加えて、白目や皮膚が黄色くなった場合には危険サインですので、急いで病院に相談して診療してもらうようにしてくださいね。
鼻炎なのに小青竜湯が効かない原因は?
アレルギー性鼻炎で処方されることの多い小青竜湯ではありますが、場合によっては全く効果を示さないということもあります。「他の人は効いてるみたいなのん、なぜ自分だけ・・・?」と思うかと思いますが、実は花粉症などアレルギー性鼻炎に必ずしも小青竜湯が効果を発揮してくれるというわけではないんです。
なぜ小青竜湯が鼻炎に効かないのか?これは人それぞれ、症状の出方が違うからなんですね。鼻炎と言っても、【ダラダラ垂れる鼻水なのか?】【鼻が詰まって苦しいのか?】この2つでは根本的な原因が違うことがあるので、小青竜湯が効かないということが起こりえるんですね。
そもそも漢方薬を処方する場合、「体が冷えている時に症状が出るのか?」「熱を持って症状が出るのか?」この2つは対局にあると言っていいほど症状が異なっています。そのため、本来はそれぞれで処方する漢方を変える必要があるんですね。ただ、病院や薬剤師は基本的な柱として西洋医学(現代医学)を持っているので、東洋医学に代表される漢方に詳しくないという医者・薬剤師の方が多いのが当たり前なんですね。
それを、「鼻炎には小青竜湯ですね」という感じで処方するので、人によって効果を発揮しないということが起こりえます。小青竜湯は「冷えによる症状」を緩和する薬なので、熱が原因による鼻水・鼻づまりにはあまり効果を発揮してくれません。
では、自分に小青竜湯が合っているのかどうかをどう判断するのか?というと、舌を見ることで判断することができるんですね。鏡で自分の舌を見てみて、【青白い→寒証】【赤っぽい→熱証】といった具合いです。小青竜湯は体を温めて症状を改善するので、舌が青白い場合に効果を発揮しやすくなってきます。逆に舌が赤っぽいのであれば、体を冷やすための漢方の方が効果を発揮しやすくなっているんです。もし小青竜湯を飲んでも鼻炎症状が改善しない、という場合には別の漢方薬を試してみると良いですよ。
漢方薬といえど、飲み続ける場合には注意すべき
西洋的な薬に比べると副作用が少ないとされている小青竜湯などの漢方薬ですが、ここでもお伝えしたとおり、副作用が全くないというわけではありません。
特に最近は漢方ブームということもあり、鼻炎治療に漢方薬を望む人が多くなってきていますが、細かい成分自体を見てみると、やはり副作用の危険性はぬぐい去れません。長期的に飲み続けることによって、どうしても人間は変化に気付きにくくなってしまいます。また、肝障害などは「今まで大丈夫だったからこれからも大丈夫」ということは決してありません。
長期的に小青竜湯を飲み続けている場合には、「副作用は出ていないか?」と自分の体としっかり向き合うように意識するようにしてみてくださいね。
小青竜湯は妊娠中に飲んで良いの?
妊娠中には一般的な点鼻薬・内服薬などは赤ちゃんに影響を与える危険性が考えられるため、副作用を考えた上で使わない方が良いというのが一般的な考え方です。
では、漢方薬である小青竜湯はどうなのか?というと、妊娠中には絶対に使わないようにしてください。
なぜ妊娠中に小青竜湯を飲んではいけないのかというと、小青竜湯に含まれている麻黄(まおう)という成分が問題なんですね。漢方薬なので妊娠中でも問題なく使えそうですが、小青竜湯を始め、多く野漢方薬には麻黄(まおう)という成分が含まれています。そしてこの成分にはエフェドリンという成分が含まれています。
この成分の副作用として、「末梢循環を損ない、胎児胎盤系の血行障害を生ずる」(「日本臨床漢方医会」より)とされています。わかりやすくいうと、赤ちゃんが血行障害になる危険性が考えられるので、結果的に発達障害・難産になってしまう危険性が出てきてしまうんですね。
このように、しっかりと正しい認識がない状態で飲んでしまうと、漢方薬といえども副作用が出てしまうこともありますので注意してくださいね。
小青竜湯っていつまで飲み続ければ良いの?
漢方薬を選ぶ人の中には、「副作用が少なそうだから」という理由だけでなく、「体質が改善できそうだから」という理由で選ぶ人がいますよね。もしかするとあなたも、体質改善の意味を含めて小青竜湯を飲んでいるかもしれないですね。
では、結局のところ「小青竜湯っていつまで飲めば良いの?」という疑問が出てきます。これに対しての答えは、「症状が出続ける限り」ということになってしまうんですね。
というのも、鼻炎症状は体を守るシステムである【アレルギー】が原因ですので、東洋医学・現代医学の両方の見解としても根本的に治す決め手はないというのが現状なんです。しっかりと原因がわかっていながら完治させることができないというのは非常にやっかいなところではあります。
まだまだアレルギーを完全に抑え込むことはできないとされていますので、症状を悪化させる環境的な原因への対策(花粉をなるべく体内に侵入させないなど)に加えて、漢方や薬を使いながら症状を抑えていくという治療法になってしまいます。
症状を抑えて行くという、継続した対策を行っていくからこそ、なるべく副作用が少ない対処法を実践するようにされてみてはいかがでしょうか。
【まとめ】
・小青竜湯には食欲不振・吐き気・不眠・胃の不快感などの副作用あり
・「息切れ」「呼吸困難」「咳」には要注意(肝障害・肺炎の危険性あり)
・小青竜湯では効果がないタイプの症状も存在する
・小青竜湯も飲み続ける場合には注意する
・妊娠中に小青竜湯は危険
・症状がで続ける限り、飲み続けなければいけない
この記事では、小青竜湯の副作用からアレルギーの根本についてのお話もしてきました。なかなか完治させることが難しいアレルギー性鼻炎ですが、しっかりと対処することで症状を抑えることは確かに可能です。
ただ、どんな対処法を実践するにしても、【体への負担>症状】となってしまわないように意識しておくと、その対処法が原因で体を壊すということもないので安心ですよ。
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