花粉症にヨーグルトは効果なし。逆に症状が悪化する理由とは?

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花粉症の治療法としては薬が主流になっていますが、副作用が強いこと、そして飲み続けたとしても花粉症自体が完治するわけではないというデメリットがあります。薬以外で花粉症の症状を抑えるための方法の1つとしてよく言われるのが、体質改善です。もしかしたらあなたも、病院でお医者さんに「花粉症を治すには体質改善をするしかない」と言われたことがあるかもしれないですね。

体質改善とは、今までのアレルギー体質から脱却するために体内の免疫バランス・自律神経のバランスを整えていくこと。こうすることで、花粉に過剰に反応してしまう花粉症としての症状を抑えることが可能なんですね。そして体質改善のためには色々な方法が提案されていますが、中でも特に有名なのが「ヨーグルトを食べる」ということ。このヨーグルトを食べて花粉症を治そう、という対処法ですが、実際どこまで効果があるのか?そもそも、効果はあるのでしょうか。

実は効果なし!?ヨーグルトの乳酸菌は本当に腸に届くのか

「腸は第2の腸」と言われるほど、体の中でも多くの神経細胞と免疫系機能を持っています。腸の環境が悪いと体調を崩しやすいということは、こういった背景があるからなんですね。そもそも免疫系とは、体を外部からの侵入物(ここで言う花粉ですね)から守るシステムのこと。いわば、体という国家の中に存在している軍隊のようなものなんですね。この軍隊を作りだしている学校のようなところが腸になってくるわけですので、腸内環境を整えるということはイコール、強く誠実な軍人をつくるようなもの。

こういった背景があるので、ヨーグルトを食べて腸内環境を良くすることによって、確かに花粉症の症状を抑えることにもつながるように思えます。確かに、ヨーグルトに含まれている乳酸菌はもともと腸に必要な菌です。ただし、注意しなければいけないのは、「乳酸菌は胃液に負けやすい」ということ。腸に届く前には胃がありますが、この胃の中には胃液が存在しています。この胃液によって、乳酸菌はそのほとんどが死滅してしまうんですね。ということは、ヨーグルトを食べたとしても、そこに含まれている乳酸菌のほとんどは腸に届く前に死滅してしまうということなんです。

ヨーグルトに含まれる動物性たんぱく質が花粉症を悪化させる?

そしてもう1つ注意しなければいけないのが、「そもそもヨーグルトって何でできているか?」ということ。ご存じの通り、ヨーグルトは牛乳からつくられていますね。そして牛乳は、牛のお乳なので動物性たんぱく質です。実はこの動物性たんぱく質、花粉症を始め、アレルギー症状を悪化させる危険物質と言われているんですね。

ヨーグルトに含まれている乳酸菌のほとんどは胃酸で死滅してしまうということをお伝えしましたが、その中でも腸にたどり着く乳酸菌は確かに存在します(ごくわずかですが)。そして、乳酸菌を大量に腸に届けようとすると、自然とヨーグルトも大量に食べる必要があります。ただ、ここで問題になってくるのが動物性たんぱく質という問題です。過剰に摂取された動物性たんぱく質は、胃で消化されないままに「異種タンパク質」として大腸に送られます。ネーミングがなんとも悪さをしそうな名前ではありますが、そのとおりです。この異種タンパク質、実は腸に存在している悪玉菌のエサになってしまうんですね。これは結果的に、悪玉菌が増えるということに直結してしまいます。

せっかく腸内環境を良くするためにヨーグルトをたくさん食べたとしても、結果的には悪玉菌を増やすということにもつながりかねないんですね。そして、悪玉菌が増えてしまうと、これは腸内で毒性を持ったガスがつくられます。すると大腸の粘膜を傷つけ、そこから異種タンパク質という悪者が粘膜に侵入していこうとします。そして、その後の流れが問題なんです。

異種タンパク質が大腸の粘膜に侵入しようとしたとき、これを防ごうとして私たちの体の中ではTh2細胞という細胞が増えます。このTh2細胞について説明するとかなりややこしくなってしまうのですが、免疫細胞の1種と覚えておいてくださいね。ただ1つ覚えておいて頂きたいのが、このTh2という細胞は、「増えすぎるとアレルギー症状を悪化させる」という特徴があるということ。

ここまでの一連の流れをまとめると、「ヨーグルトを食べる」→「異種タンパク質が増える」→「Th2細胞が増える」→「アレルギー症状が悪化する」という流れになっています。ヨーグルトに入っている乳酸菌自体は、確かに体にとって必要なものです。ただ、ヨーグルトを食べるだけでは腸内の乳酸菌を増やすことは難しいですし、かえって花粉症などアレルギー症状を悪化させる危険性も増えてしまうということなんですね。

あなたの腸内環境は正常?9つのチェックポイント

ヨーグルトを食べたとしても、直接的に花粉症の症状を緩和することにはつながらないというお話をしてきました。それは、ヨーグルトに含まれている乳酸菌が腸まで届きにくいこと、そしてヨーグルトは動物性たんぱく質なので腸にとっては悪玉菌を増やすエサになってしまうことが大きな要因となっています。あまり食べ過ぎると、かえって花粉症の症状が悪化する危険性もありますので注意しましょう。

とは言っても、腸内環境を整えることによって免疫バランスが整ってきますので、腸内環境を良くすることは花粉症の症状を緩和する効果があることは間違いないです。とうやって腸内環境を良くすればよいのか、という話の前にぜひチェックして頂きたいのが、あなたご自身の腸内環境の状態です。ここでは9つのチェックポイントを上げますので、いくつ当てはまるのか確認してみてくださいね。

腸内環境チェックシート
(1)便秘がちだ
(2)下痢気味だ
(3)便・おならの臭いが気になる
(4)肌が荒れやすい
(5)疲れがなかなか取れない
(6)風邪をひいたり体調をくずしやすい
(7)どちらかというと洋食を食べることが多い
(8)野菜はあまり好きではない(あまり食べない)
(9)不規則な生活が続いている

~2個以下の場合
今のところ、腸内環境・バランスともに良いと言ってよいでしょう。

3~5個の場合
今のところ腸内環境が悪い、とまでは言い切れませんが、少しでも気を抜いてしまうと悪玉菌が一気に増えてしまう危険信号の状態です。腸に負担をかけない生活習慣を心掛けましょう

6~7個の場合
腸内環境が悪化しているだけでなく、腸の老化が進んでしまっています。しっかりと栄養バランスの良い食事を心がけ、適度な運動も習慣化すべき状態です。

8個以上の場合
かなり腸が衰えてしまっていますので、花粉症の症状が悪化している状態の可能性大です。少し時間がかかりますが、しっかりと生活習慣を見直し、腸内環境を整えていく必要があります。

あなたはいくつ当てはまったでしょうか?このチェックポイントにいくつ当てはまるか確認することで、あなたの今の腸内環境の状態がわかってきます。もし腸内環境があまり良くないのであれば、逆にチャンスです。というのも、少しでも腸内環境を良くするための努力をしていくことによって、花粉症の症状を抑えることが可能だからなんですね。

まとめ

・ヨーグルトの乳酸菌はあまり腸まで届かない
・ヨーグルトは動物性たんぱく質なので悪玉菌を増やす危険性も
・まずは自分の腸内環境の状態を認識しておく

最後にあなたご自身の腸内環境を確認できるチェックシートを掲載しましたが、結果はいかがでしたでしょうか?腸内環境を良くするためのポイントとしては、ストレスをためないことだったり睡眠不足にならないなど。そして、バランスの良い食事を1日に3回、しっかり規則正しく食べるということ。実はこういった、当たり前で健康的な生活を意識するだけでも、腸内環境を改善していくことは可能なんですね。もちろん、腸内環境が良くなってくると花粉症の症状改善にも効果がありますので、まずは今一度、生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。