アレジオンを子供に飲ませると危険な理由 薬なしで鼻炎を抑えるには

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アレジオンは花粉症やアレルギー性鼻炎に使われる市販薬として、効果を体感しやすいこともあり広く使われています。その作用としては、抗アレルギー作用(されるギーを誘発する体内物質の放出を防ぐ)に加えて抗炎症作用(鼻粘膜の炎症を抑える)、そして抗ヒスタミン作用。抗ヒスタミン作用は、アレルギー症状が出る原因とも言われているヒスタミンが体内で大量に分泌されるのを防ぐという働きがあるので、鼻炎症状が出にくくなるよう配合されています。

アレジオンは子供に使って良いの?

鼻炎症状が出るのは大人だけではなく、子供も同じこと。特に最近では昔と比べられないくらい、子供のアレルギー性鼻炎が増えているという現状があります。実際、3人に1人の子供が花粉症やアレルギー性鼻炎など、何らかの鼻アレルギーを患っているというデータも出ているほどなんですね。さらに子供の場合、花粉症などのアレルギー体質だった場合、目や喉よりも特に鼻に症状が出やすいという傾向にあるため、どうしても鼻炎症状が大人よりも悪化しやすい実情があります。

子供の鼻炎症状を抑えるためには病院で処方される薬、市販の内服薬から点鼻薬まで実に様々あります。が、どの薬を使った場合にも子供の鼻炎があまり改善されないという場合、効果の強いアレジオンを使いたいという親御さんがいますが、避けるべきです。

まずアレジオンのパッケージにも記載されている注意事項として、15歳未満の子供には使わないようにという注意書きがあります。他の薬と同様、大人の半分の量にして飲ませれば良いんじゃないの?と思ってしまいがちですが、アレジオンの場合には子供に飲ませた場合に副作用の危険性が高まってしまうので飲ませないように注意してくださいね。

アレジオンの副作用とは?

そもそも、鼻炎薬に限らず、どの薬でも効果が強ければそのぶん副作用も強いという傾向はどうしてもついてきてしまいます。アレジオンは他の点鼻薬に比べると、改良に改良が加えられているので副作用が少ないと言われています。今までの鼻炎薬というと、激しい眠気に襲われたり、倦怠感が出てくるなど。大人でも辛い副作用ではありますが、子供の場合には日中に眠気が出てきて集中力不足等の危険性も指摘されていますね。

ただ、本当に怖い副作用は眠気や倦怠感だけではないんです。そもそも、なぜ眠気などの副作用が出るのか?というと、これは抗ヒスタミン薬が中枢神経を抑制するからです。この中枢神経が活発な状態だと鼻炎症状のきっかけとなるヒスタミンが体内で多く分泌されやすいのですが、これを抑えることによって鼻炎症状を抑える仕組みとなっています。ただし、先にお伝えしたとおり、アレジオンは効果が強いぶん、これは副作用が強くなりがちということにもつながります。中枢神経を抑制しすぎるとどうなるのか?というと、大脳のう機能が低下してしまうんですね。

子供の大脳の機能が低下してしまう…というとその響きだけでも怖いように思えますが、その結果として眠気が出てきますし、もちろん思考能力も低下します。また、注意力が低下してしまったり、五感の認知力が低下、また運動機能が低下するなどの危険性も指摘されています。こういった副作用から考えると、子供の成長を妨げる危険性もあるということなんですね。

もちろん、1度飲んだからといって重篤な副作用が出るとは限りませんが、継続して飲むことによって副作用の影響は更に深刻になってしまいますので、子供にアレジオンは飲ませないように注意しましょう。

子供の鼻炎は治るのか?

あまりにも鼻炎症状が悪化すると、「うちの子供も鼻炎と一生付き合わなければいけないのか…」と心配になってしまう親ごさんも多いですね。鼻炎もアレルギーの一種ですが、例えばアトピーやぜんそくなどは大人になっていくごとに症状が軽くなるというデータが出ています。小児ぜんそくは思春期になると30~80%は症状が軽くなるというほど。

ただし、数あるアレルギーの中でも完治・症状が軽減しにくいと言われているのがアレルギー性鼻炎なんですね。実際、大人になるにつれて症状が軽くなったり完治したという人の割合は、たったの5~10%ほどにすぎないんです。また、一時的に症状が出なくなった場合でも、鼻炎が再発するケースも非常に多いんですね。

この内容からもわかるとおり、アレルギー性鼻炎は完治しにくいということをまず把握しておくこと。そして、まずできる対策としては症状を悪化させないということ。そのための対策法を記事の後半ではご紹介していきますね。

水分補給を小まめにさせてあげることのメリット

花粉やホコリ・ダニなど鼻炎の原因は様々ですが、まずはそのアレルゲンをなるべく体に侵入させにくい環境づくりを意識してあげることが重要です。そのためにすぐに実践できて効果が出やすいのが、水分を小まめに補給させてあげること。大人だと喉が渇いたらすぐに水分を補給しますが、子供は遊びなど他のことを優先しがち。水分が足りていないと鼻粘膜・喉や口の中が乾燥しやすくなってしまうので、アレルゲンが侵入しやすくなってしますんですね。

しっかりと乾燥を防ぐためにも、小まめに水分を補給させてあげるようにしましょう。自宅など室内では湿度が一定に保てていることが多いですが、意外にも盲点になってしまうのが外注つ先です。季節によっては外は空気がとても乾燥しやすいので、出かける時には水筒やペットボトルなどを持たせてあげるようにしましょう。

また、水分補給をさせるのが難しいというような子供さんの場合には、アメを舐めさせてあげるのも効果的です。飴を舐めていると唾液が出てくるので、自然と口の中が乾燥しにくい状態をつくりだしてくれます。ただし、常に飴をなめさせるのは糖分が気になるという親御さんも多いかと思いますので、シュガーレスタイプの飴やミント系の飴を舐めさせてあげると良いですよ。特にミント系は気持ち的にもスッキリさせてくれる効果がありますので、鼻炎症状が悪化しているときには効果的です。

手洗い・うがいを徹底させてあげる

子供はどうしても大人が見ていないと手洗い・うがいなどの習慣をサボりがち。ただ、アレルゲンは喉から侵入しやすいので、手洗いやうがいは症状を抑えるためには効果的なんですね。

うがいをしてくれない子供に習慣化させる方法が、実はあるのでご紹介させて頂きますね。それは、アレルゲン(花粉やダニなど)を拡大した画像・写真を見せてあげること。「放っておくと、この菌が悪さするんだよ!」と教えてあげましょう。これは大人も同じことですが、人間はやはりビジュアル(視覚)で見ると記憶として残りやすいんですね。特にダニの拡大写真なんかは子供もかなり怖がりますので、うがいをしないとこのダニが増えるんだよーということを教えてあげましょう。

子供が喜ぶ!はちみつしょうがの作り方

アレジオンを始め、鼻炎薬に頼らずに症状を緩和する方法は本当に多くあるんですね。特に、ここで紹介させて頂きますハチミツとショウガには高い効果があるので試す価値ありです。

ショウガについてですが、昔から鎮痛・鎮静作用・体温上昇作用や殺菌作用など様々な効果・効能のある薬草として使われてきました。このショウガの科学的な薬効も、実は確認されているんですね。そもそも鼻炎を始めとするアレルギー症状ですが、免疫機能のバランスが崩れてしまっている場合に起きてしまうことがわかっています。この時、IgE(アイジーイー)と言うアレルギー抗体がアレルゲン(花粉・ホコリなど)と接触することによって発症するわけですが、ショウガはこの反応を起こりにくくすることが確認されているんですね。

さらに、ショウガに含まれるジンゲロールという辛味成分に含まれるガラノラクトンという成分には、血管を拡張させる作用があります。血管を拡張し、血行を促すことによって自律神経のバランスを整え、アレルギー症状を起こりにくくしてくれるんです。また、ハチミツに含まれるミネラルもアレルギー軽減には効果的なので、ハチミツショウガを飲ませてあげると症状緩和の効果が期待できます。もちろん、味も美味しいので子供さんも喜んで食べてくれるんですよ。

はちみつしょうがの材料
・しょうが150g
・はちみつ200ml

はちみつしょうがの作り方
(1)しょうがをよく洗い、皮ごと薄切りにしていきます
(2)煮沸消毒した密閉容器にショウガとハチミツを加えます
(3)2晩おいておくと、完成です。

たったこれだけなのでカンタンに作ることができます。そのまま食べても良いですし、ショウガを刻んで料理に使っても良いので、様々な料理の工夫をしてみてくださいね。

もちろん、つけ汁にはショウガとハチミツの成分が溶け出ていますので、水や炭酸水で割って子供に飲ませてあげると、これも鼻炎症状軽減に効果的です。

まとめ

・アレジオンは15歳未満の子供にはNG
・眠気や倦怠感だけでなく、大脳の低下を招く危険性あり
・子供のアレルギー性鼻炎は治りにくいため、症状悪化をまず防ぐ
・水分補給によってアレルゲンの侵入を防ぐ
・うがいが苦手な子には習慣化させるコツを伝授する
・薬以外で症状を軽減させるものを有効活用する

子供のアレルギー性鼻炎は治りにくいということをお伝えしましたが、まずは症状を悪化させてあげないことが重要になってきます。あまりにも症状がヒドい時には薬などで症状を軽減させてあげることも必要ではありますが、どの薬も長期的に常用させてしまうことによって効果が出にくくなるというデメリットも存在します。普段はなるべく薬を使わず、いざという時だけに抑えておいた方が症状悪化を予防することにもつながるんですよ。