【子供のステロイド点鼻薬】知らないと危険な副作用とは?
子供が花粉症や通年性アレルギー性鼻炎の場合、治療法として病院ではステロイド点鼻薬を処方することが多いです。ただ、「ステロイド点鼻薬って副作用があるんじゃないの?」「そもそも効果はあるの?」と、親御さんでしたらやっぱり不安になりますよね。
今現在、ステロイド点鼻薬を子供さんに使わせている方はもちろんですが、これからステロイド点鼻薬を使わせようか考えている、という場合にぜひ知っておいて頂きたいのがステロイド点鼻薬の副作用と使用上の注意点です。
そもそも、ステロイド点鼻薬は効果あるの?
花粉症などの季節性アレルギー性鼻炎を始め、ダニ・ホコリといった通年性アレルギー性鼻炎も症状が出る原因は同じです。体に入ってきてしまったアレルゲン(アレルギーの原因物質)に体が過剰に反応してしまうことが鼻炎症状を起こす原因になるわけですが、治療薬の中でも特に広く使われているのがステロイド点鼻薬です。
このステロイド点鼻薬に含まれているステロイドという成分ですが、元々は人間の体内でつくられている成分のこと。副腎皮質という場所から分泌されるホルモンの一種なのですが、働きとしては抗炎症作用があります。鼻づまりや鼻水といった鼻炎症状は、炎症が原因で起きてしまっているので、このステロイドというホルモンが働くことによって通常は悪化しないように押さえられています。そして、このホルモンを人工的に作り出したのがステロイド点鼻薬というわけです。
やはり効き目は強く、効き目だけを考えるのであればステロイド点鼻薬以上にアレルギー性鼻炎に効果のある点鼻薬はないとまで言われるほど。しっかりと効き目が実証されている点鼻薬なんですね。
ステロイド点鼻薬に副作用はあるの?
子供に薬を使わせるとなると、やはり気になるのが副作用。この副作用はしっかりと知っておかないと、「こんな事態になるなんて思ってもみなかった…」と後悔する危険性もありますので注意しましょう。
結論から言うと、ステロイド点鼻薬は子供が使った場合にも副作用は少ないとされています。ただし、全く副作用がないというわけではありません。そもそもこのステロイドは効き目が強いだけに副作用が強かったのですが、長期間使い続けることによってホルモンバランスが崩れるという副作用がありました。ホルモンバランスが崩れることによって、糖尿病になってしまったり骨粗鬆症になってしまう危険性もはらんでいたわけです。
ただ、これは初期のステロイド薬の話。この副作用を大きく減らしつつ、効き目だけをしっかりと活かす方法として改良され作られたのがステロイド点鼻薬なんですね。有名な点鼻薬名で言うと、フルナーゼやリノコート、ベコナーゼといった点鼻薬。こうしたステロイド点鼻薬は噴霧という仕組みを使うことによって、局所的に作用させることによって体への負担を大幅に減らすことが可能になりました。その結果として、大きな副作用の危険性がなくなったんですね。
局所敵に微量を使うため、体に吸収されにくく分解されやすい、というのが副作用が少ないとされている理由です。
知っておくべき副作用とは?
前述したとおり、ステロイド点鼻薬は基本的に大きな副作用はないので子供でも問題なく使うことができるとされています。副作用と言っても、鼻に刺激感を感じたり乾燥感が出てきたり。また、目立つ場合には鼻の粘膜が弱ってしまって鼻血が出てしまうというケースもありますが、これはどれもそれほど大きな危険性のある副作用ではありません。
それよりも知っておくべき副作用というのが、リバウンドです。これはステロイド点鼻薬だけに限らず、内服薬も含め全てのステロイド薬に考えられる危険性です。そもそもステロイドは、副腎皮質から分泌されていたホルモンですが、これを長期的にステロイド点鼻薬を使い続けてしまうことによって、もともとの機能が低下してしまうことがあります。
わかりやすく言うと、薬に依存してしまって体が楽をしてしまっている状態のこと。ここで急にステロイド点鼻薬を使うのを止めてしまった場合、薬を使う前には出ていなかった症状まで出てきてしまうという人がいるんですね。
もしあなたの子供さんが今までステロイド点鼻薬を使っていて、副作用が不安だからと、使うのを止める場合。リバウンドの危険性も考えられますので、必ず医者に相談しながら中止までの計画を立てるようにしてくださいね。
鼻炎が子供に与える悪影響とは?
花粉症など季節性のアレルギー性鼻炎にしても、通年性アレルギー性鼻炎にしても。どちらも子供の症状が悪化した場合には、鼻づまりで息苦しくなってしまったり本人はとても辛い思いをしています。
が、特に危険視されているのが【鼻炎による睡眠障害】なんですね。これは大人以上に深刻な問題なのですが、特に子供のアレルギー性鼻炎は鼻づまりが悪化しやすいと言われています。その結果、しっかりと質の高い睡眠をとることができなくなってしまい、慢性的な睡眠障害に陥ってしまう子供がとても多いんですね。
その結果として、日中の集中力低下だったり、怒りっぽくなるなど。もちろん寝起きが悪くなるといった弊害も出てきますが、成長期にこういった弊害が出てしまうことで子供の成長にも大きく関わってしまいます。アレルギー性鼻炎は完治させるのは難しいとされていますが、症状を和らげてあげることは可能なので、その子供に合った症状軽減方法を実践させてあげるようにしましょう。
まず大事なことは、症状を悪化させないこと
アレルギー性鼻炎を完治させることは難しいですが、症状を和らげてあげることは可能です。そして、何よりも大事なのがこの症状を悪化させないということ。
もちろん、場合によってはステロイド点鼻薬など薬に頼るという方法も良いですが、加えて重要になってくるのが環境対策です。特に花粉やダニ・カビ・ハウスダストなどは室内でも鼻炎症状を起こしやすいアレルギー物質。ただ、ちょっとした工夫をするだけでずいぶんと症状を緩和させてあげることができます。
掃除しやすい工夫をする
花粉やホコリといったアレルゲンは、しっかりと掃除をすることである程度は防ぐことができます。そのために日ごろから工夫しておきたいのが、家具の配置。
例えば、家具と壁の間には隙間を空けておくなど。冷蔵庫や食器棚、またタンスなどはつい壁にピッタリとくっつけてしまいがちですが、壁との間に10センチほど隙間を空けて配置しておくことで掃除機のノズルを差し込みやすくなります。
また、風の通り道をふさがないということも大事です。窓を空けて換気をすることもアレルギー対策には重要になってきますが、せっかく換気をしても風の通り道を家具などでふさいでしまっているケースが非常に多いです。室内の風の通り道をしっかり確かめて、風をさえぎらない位置に家具を置くようにしてみてはいかがでしょうか。
【ステロイド点鼻薬】子供への副作用と対処法まとめ
・副作用自体は少ないとされている
・刺激感、乾燥感といった副作用あり(鼻血が出ることも)
・使用を中止するとリバウンド(症状が悪化)することも
・鼻炎による睡眠障害に要注意
・まずは症状を悪化させないことが大事
・風の通り道をふさがない、など掃除の工夫をする
ステロイドというと、どうしても副作用が強いイメージがありますが、しっかりと上手に使えば症状を和らげることには大きく貢献してくれます。ただし、注意すべきリバウンドなどの危険性もありますので、これから子供に使わせる場合にはしっかりと先を見据えた上で使うようにしましょう。
また、ステロイド点鼻薬を使う場合でも、そうでない場合でも大事になってくるのは症状を悪化させないための対策をするということ。そのためには環境対策がまず重要になってきますので、ぜひご家庭の中を今一度見つめ直してみてはいかがでしょうか。
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