鼻うがいで蓄膿症は治る? 完治への最短ルート
蓄膿症は、一度かかってしまうと治りにくい病気であることは既に周知の事実ですね。とは言っても、ドラッグストアで発売されている蓄膿症用の薬を使ったとしても、病院で処方される抗生物質を飲み続けたとしても。また、手術をしたとしても完治しにくいのが蓄膿症なんです。
こうなると別の対処法で完治させよう思うわけですが、病院でも勧められる蓄膿症の治療法として有効とされているのが鼻うがい。この鼻うがいを実践することによって蓄膿症は治るのでしょうか?
鼻うがいで蓄膿症は治るのか?
長期的に治療が必要と言われている蓄膿症ですが、その1つの対処法に上げられる鼻うがい。薬のように副作用もなく、お金もかからずに実践できる方法として広く知られていますね。ただ、結論からお伝えすると、鼻うがいだけで蓄膿症が治るということはありえません。。
もちろん、蓄膿症を治すための治療法の中の1つの対処法として、症状を悪化させないという意味では鼻うがいはとても有効です。鼻粘膜に花粉や排気ガス、また空気中に浮遊している細菌が付着した状態が続くと、蓄膿症が悪化したり再発する原因になることも事実なので、鼻うがいによって粘膜を正常に保つことは有効です。ただ、鼻うがいだけでは蓄膿症を治すことはできないんですね。
なぜ、鼻うがいだけでは蓄膿症は治せないのか?
鼻うがいだけで蓄膿症が治らない原因。これには、ハッキリとした理由があります。鼻うがいは鼻粘膜に付着した有害物質・刺激物などを除去して洗い流すという対処法です。このおかげで更なる症状の悪化を防ぐことができることは事実なので、そういった意味では必要な対処法になります。
もちろん、アレルギー性鼻炎の場合には鼻粘膜が弱っていることが多いので、この粘膜をさらに弱まらせないためにも鼻うがいは有効な方法です。ただ、「鼻うがいだけ」では蓄膿症は完治させられないんですね。
長期化しやすかったり再発しやすいと病院でも言われる蓄膿症ですが、この理由としては細菌を完全に除去できないことが大きく関係しているんですね。ご存じのとおり、蓄膿症は副鼻腔内に細菌が繁殖してしまって膿がたまっているもの。鼻うがいは鼻粘膜に付着した有害物質を洗い流すことはできますが、副鼻腔内の膿までは洗い流すことはできないんですね。この膿を消し去らないかぎりは、どんどん細菌は繁殖してしまうので完治させられないんですね。
実は、薬を使った治療法でも蓄膿症が治りにくいのはここにも原因があります。ほとんどの病院で処方される蓄膿症の薬は抗生物質ですが、これは抗生物質の働きによって細菌を殺すというもの。一見、有効に見えますし、確かに一時的に症状が改善することもあります。ただし、抗生物質にはある性質があります。それは、長期的に使うことによって効果が弱まっていってしまうというもの。
細菌も生き物ですね。そして、抗生物質は細菌にとっての敵です。同じ敵(抗生物質)が毎日攻めてくると、これに対して生き物である細菌はパワーアップします。生き物にはもともと進化のDNAが含まれているので、これは仕方のないこと。こういった背景があるので、薬を飲み続けたとしても、細菌を完全には消し去ることはできないんですね。そのため、なかなか治りにくいのが蓄膿症なんです。
蓄膿症が治らない、もう1つの大きな原因とは?
鼻うがいによって鼻粘膜を細菌から守ること。そして、ホコリや空気中の排気ガスなどから体を守ることは蓄膿症を治すためにも有効ではありますので、ぜひ取り入れたい治療法の1つではあります。ただし、鼻うがいだけでは蓄膿症は治らないわけですが、これはあなたご自身の体質に大きく影響しています。
実際、蓄膿症を発症してしまうほとんどの人は鼻にアレルギーを持っていると言われています。例えば、花粉症だったりダニ・ホコリアレルギーといった体質ですね。こういったアレルギーは鼻に症状が出やすいので、どうしても鼻粘膜がダメージを受けやすいんです。ダメージを受けてしまった鼻の粘膜には細菌が侵入しやすいので、蓄膿症が治らない大きな原因となっているんです。まずは鼻アレルギーを悪化させないということが重要になってくるわけです。
もし鼻にアレルギーを持っていないという場合でも、近年はPM2.5や黄砂など様々な大気汚染物質が空気中に溢れています。ちょっと体調を崩したときなど免疫力が下がっているときに、こういった有害物質が鼻粘膜に触れることによってダメージを受けてしまうので、マスクをしたりといった環境的な対策は欠かさないようにしましょう。
蓄膿症が更に悪化するとどうなるのか?
長期化しやすく、再発もしやすいということですが、悪化しやすいというのも蓄膿症の特徴の1つです。実は慢性的に蓄膿症を患っている場合、他の病気を引き起こす危険性を持っているので注意が必要です。というのも、鼻汁(膿・鼻水)は放置しておくと喉の方に流れていきます。これを後鼻漏と言いますが、この状態が続くことによって喉や気管支に炎症を起こすことがあるんですね。
この炎症が進行することによって慢性気管支炎や、場合によっては気管支拡張症という病気になることもあります。それだけでなく、目の周りにもこの膿(細菌)は届いていくことが多いので、まぶた・目の下が腫れてくることもあります。その結果、さらに悪化すると視神経にまで到達してしまい、視力が下がってしまったり目がかすむといった症状が現れます。これが更に進行すると失明の恐れまであるので非常に危険なんですね。
膿(細菌)が進む場所によってその後に併発する病気の種類は異なってきますが、例えば上顎部分に進行すると、歯が浮いたような痛みが出てきます。これは通常の虫歯とはまた違った痛みなのですぐにわかるので、もし心当たりがある場合には早急に対処するようにしてくださいね。これが歯肉炎につながるケースもありますし、また方の神経の緊張につながり、肩コリになることもあります。
こういった様々な症状が併発しやすい蓄膿症ですが、特に多いのが口臭です。自分ではなかなか気付きにくいので、気付いた時には周りから人が遠ざかっている…というほど強烈な口臭が出てきてしまうことがあります。これは喉に鼻汁が垂れることによって、口の中が乾燥しやすくなってしまいます。口の中が乾燥しやすい状態が続くと、細菌が繁殖しやすい環境を自分でつくりだしていることになり、強烈な口臭や虫歯へとつながってしまうんです。
まとめ
・鼻うがいだけで蓄膿症が治ることはない
・増殖した細菌を鼻うがいで除去することはできない
・症状を悪化させないために鼻うがいは有効
・抗生物質は飲み続けると効果がなくなっていく
・鼻アレルギーがある場合は、まずアレルギー対策をする
・悪化すると失明や気管支炎を起こす危険性がある
完全に治ることがなかなか難しい蓄膿症ではありますが、1つずつしっかりと対処していくことで完全に治るということも可能です。急がば、回れです。
もしあなたが鼻になんらかのアレルギーを持っている場合、まずはそのアレルギーを悪化させないための対処法を意識してみてくださいね。アレルギーが悪化する原因は、睡眠不足・不規則な生活による自律神経の乱れが大きく関わっています。そのためにも、まずは適度な運動や睡眠の質を上げるといった工夫もぜひ取り入れてみてくださいね。これが基本です。そのうえで、鼻うがいやアレルギー対策の漢方や生薬などご自身に合った対処法を実践してみてくださいね。
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