副鼻腔炎に鼻うがいはOK?完治させるために知っておくべきこと
副鼻腔炎(蓄膿症)は一度なってしまうと、なかなか完治しないことで治療が長引いてしまいがち。あまりにも重症化してしまうと、頭痛や口臭など生活に支障が出るレベルまで悪化しやすいことも副鼻腔炎の辛いところ。副鼻腔炎の治療法としては基本的に抗生物質を長期的に服用する方法が主流になっています。加えて、重症化している場合には副鼻腔にたまった鼻汁を吸引して取り除くという治療が行われます。
この治療法で基本的には長くても2週間ほどで治ると言われていますが、実は完治することは難しいのも現実です。というのも、鼻汁を吸引したり抗生物質で抑えたとしても、原因となっている細菌を完全に消し去ることはできないんですね。とは言っても、予防のために抗生物質を飲み続けるというのも、これもまた体にとって副作用やデメリットが大きすぎるので避けるべき。そんな場合に予防法としても効果的なのが、鼻うがいです。
副鼻腔炎の改善・再発防止には鼻うがいが効果的
そもそも副鼻腔炎が起きる原因のほとんどは、鼻炎体質によるもの。アレルギー性鼻炎や花粉症など、鼻にアレルギーを持っている場合に、アレルギー症状として鼻粘膜が炎症します。この時、粘膜に細菌が入り込んでしまったり、細菌が繁殖してしまうことによって膿となり副鼻腔炎(蓄膿症)を発症します。
この細菌の増殖を予防するためには、まず鼻粘膜を清潔に保っておく必要があるのですが、これに鼻うがいが効果的なんですね。副鼻腔炎の症状が悪化した場合にも、そして予防としても効果的なんです。鼻粘膜付近に溜まってしまった膿をまず鼻うがいによって洗い流し、鼻粘膜のもともとの機能を回復させてあげます。そして、アレルゲンから粘膜を守っておくことによって鼻炎悪化を防ぐこともできるので、結果的に副鼻腔炎の予防にもなるというわけなんですね。
もともとアレルギー体質ではないという場合だとしても、ハウスダストや花粉などの刺激物はもちろん鼻粘膜にとって良いものではありません。加えて、副鼻腔炎になるということは鼻粘膜が過敏な状態になっていますから、なるべく化学物質やアレルゲンなどを取り除いておく必要があります。言ってみれば、虫歯対策のための歯磨きのようなものですね。
重症化している場合には、自分で鼻うがいをするのは避ける
副鼻腔炎が重症化してしまっている場合、なるべく鼻うがいを自分でするのは避けましょう。というのも、副鼻腔に膿が溜まっている状態なので、ここに無理に食塩水を流し込むことによって、予想していなかった場所に食塩水が流れ込んでしまう危険性があるんですね。特に鼻と耳はつながっていますので、耳の方に食塩水が進んでいってしまうと中耳炎になってしまう危険性も考えられます。
ただし、耳鼻科によっては薬物療法と併用して、副鼻腔の洗浄を行ってくれる病院もあります。方法としては、副鼻腔の中にある大きな空洞の上顎洞という部分に張りを刺して行うもの。この方法で鼻洗浄を行うことによって、内部に溜まった膿を吸いだして洗浄することができるので、効果的です。
鼻うがいだけで副鼻腔炎が治るわけではない
ご説明したとおり、鼻うがいは副鼻腔炎の改善・予防に効果的です。これは鼻粘膜付近から膿・鼻水・アレルゲンを取り除くことによって、鼻の機能を正常に回復させるという理由によるもの。このおかげで悪化を防ぐことはできますし、再発防止にもなります。
ただし、副鼻腔炎が再発したりなかなか改善しない大きな理由の1つに、細菌を完全に除去できないということがあります。いくら鼻うがいで副鼻腔内を清潔にしたとしても、食塩水だけでは細菌を完全に死滅させることは難しいんですね。ではどうすれば良いのか?
どうすれば良いのかというと、その答えは【体の機能を高めて根本から改善する】ということが必要になってきます。これはもちろん、抗生物質など薬で対処するということではありません。いくら抗生物質を飲み続けたとしても、細菌を完全に退治することは難しいですし、長期的に飲み続けることによって細菌も強く進化していってしまうために薬の効果も弱まってしまうからです。
ここで1つ抑えておきたいのが、東洋医学の考え方です。東洋医学では、体の総合的なバランスとなっているホメオスターシス(体内の環境を一定の状態に保つこと)の乱れを正し、体が健康であろうとするために働く強めることを目的としています。副鼻腔炎のように再発しやすい症状の場合には、この東洋医学の考え方が重要になってくるんですね。そのために生薬やハーブを使ったりすることによって全身の機能を向上させ、副鼻腔炎を改善していくことができるんです。特に副鼻腔炎のように膿が原因になる症状を改善するための生薬・ハーブなどは様々ありますので、自分に合ったものを見極める必要も出てきます。
例えば、副鼻腔炎に効果的な生薬やハーブの代表に、キキョウエキスというものがあります。これは鼻の粘膜の荒れに効果的ですし、膿を排出するという効果も確認されています。また、脳に働く中枢抑制作用もキキョウエキスにはありますので、鎮痛作用や解熱効果もあります。他にも優れた殺菌効果のあるシソ。私たちの生活にも身近な存在のシソですが、独特の香り成分であるペリラアルデヒドには細菌の繁殖を抑える作用もあるんですよ。また、アレルギー性鼻炎が改善するという研究結果も出ている甜茶(てんちゃ)には鼻粘膜の炎症を抑える効果や痰を抑えるといった作用なども確認されています。
こうした副鼻腔炎に効果的な生薬やハーブを使いながら、鼻粘膜の清潔維持のために鼻うがいを一緒に実践していくと、高い効果が期待できます。
本当に怖い、副鼻腔炎に使われる薬の副作用とは
副鼻腔炎の治療には主にマクロライド系抗生物質が使われることが多いですが、長期的に飲み続けることによって副作用が出やすいことは知られています。特に肝機能障害が起こりやすいのが特徴なのですが、さらに強い薬になってくると腎臓や神経系の障害を引き起こす危険性まで指摘されているんですね。
ただし、一番怖いのはこういった副作用ではなく、抗生物質そのものによる影響です。どういうことか?というと、抗生物質を長期的に飲み続けていると、体に耐性ができてしまいます。こうなると、他の重大な病気にかかった場合に同じ抗生物質が効かなくなってしまうんですね。実は日本ではあまり知られていませんが、日本ほど抗生物質をバンバンと処方する国は他に存在していません。世界中どこの国を見ても、抗生物質を処方するのは、命に関わる病にかかった場合だけです。もちろん、風邪の時に「とりあえず抗生物質だしときますね」なんていう医者がいるのも日本だけです。
このように、長期的に抗生物質を飲み続けることによって副鼻腔炎の細菌に効果がなくなってくるだけでなく、他の病に感染した場合に効果が出ないといった危険性もありますので、注意が必要です。
まとめ
・副鼻腔炎の改善や再発防止に鼻うがいは効果的
・鼻粘膜を鼻うがいによって清潔に保つことが大切
・重症化している場合には中耳炎になる危険性もあるので注意
・鼻うがいだけで副鼻腔炎が完治するわけではない
・膿を排出し、鼻粘膜を清潔に保つことが重要
・抗生物質は効果が弱まるだけでなく、重大な問題あり
この記事では、副鼻腔炎に対しての鼻うがいの効果についてお伝えしてきました。鼻粘膜に付着したホコリや細菌などを洗い流すことが重要というお話をしましたが、もちろん室内では湿度を一定に保ったり空気清浄機を使ったりなど、環境自体を清潔に保つことは大切ですし、外出先ではマスク着用も効果的です。
まずは細菌やアレルゲンから体を守ることを第一に考え、そのうえで体の免疫機能を正常に戻すといった対処法を実践するようにしてみてくださいね。そうすることで再発防止や完治といった道筋も見えてきます。
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